岩屋毅防衛相が5日、名護市辺野古の米軍新基地の埋め立て工事現場を視察した。11日の内閣改造で岩屋氏の交代は確実視。特に用事もないのに沖縄を訪問した事情を、防衛省関係者が解説する。


「岩屋大臣は昨年11月に沖縄を訪れた際、辺野古に足を運ばなかった。実は民主党政権と第2次安倍政権以降の歴代防衛相は皆、在任中に上空からも含めて辺野古を最低1度は視察しています。今回、辺野古を視察しなければ過去10年では初めてとなるところでした」

 つまり、「辺野古視察をスルーした初の防衛相」の汚名を着せられたくないため、交代前に慌てて、アリバイづくりの“卒業旅行”をねじ込んだというのだ。

「岩屋大臣は辺野古の埋め立て強行にゴーサインを出した張本人。現地を訪れれば、反対派を逆なでしかねず、米軍側との調整だって生半可ではない。その上、韓国のGSOMIA破棄で省内が混乱する中、大臣は現場の慎重論をよそに視察を強引に組み込んだのです。この期に及び、虚栄心だけで辺野古に行くとは……」(前出の防衛省関係者)

 横暴に開いた口が塞がらないようである。


 先月29日には、その2日前に米軍普天間基地所属の輸送ヘリ「CH53」の窓が沖縄本島東沖に落下したことが判明。

 県はもちろん、“身内”の自民党沖縄県連でさえ、原因究明まで同型機の県内飛行の停止を求めたのに、岩屋氏はガン無視だ。

 2017年12月に同型機の窓が普天間基地に隣接する小学校の校庭に落下した際、岩屋氏は米軍に飛行中止を求めたが、今回は飛行停止を求める考えがないことを強調。「それぞれの事案で判断している」と言い訳し、落下場所が海上で物的被害がないからと、飛行自粛を求めないつもりのようだ。

 問題は、窓が落ちた場所ではなく、窓が落ちること。次にいつ、どこで落ちるかも分からないのに、海上か、校庭かで判断を変えるとは理解に苦しむ。国民の安全は念頭になく、我が身優先の防衛相なんて、改造を待たずにサッサと代わって欲しい。

日刊ゲンダイ
19/09/06 14:50
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