自民党の萩生田光一・幹事長代行が憲法改正の国会発議に向けた議論が進まない場合の対応として大島衆院議長の交代論に言及し、党内に波紋が広がっている。

 萩生田氏の発言は26日のインターネット番組で飛び出した。「大島議長は立派な方だが、調整型だ」と指摘した上で、「有力な方を議長に置いて、憲法改正シフトを国会が行っていくことは極めて大事だ」と語った。萩生田氏は安倍首相(自民党総裁)の側近の一人で、首相が意欲を示す改憲議論を進展させたいとの思惑があったとみられる。

 ただ、衆院議長の交代は病気などを除けば衆院選後が慣例だ。萩生田氏による異例の踏み込んだ発言に対し、党内からは「賛同できない」(高市早苗・衆院議院運営委員長)などと批判が続出。関係者によると、萩生田氏も既に大島氏に謝罪した。

 大島氏はそもそも国会での改憲議論に前向きな立場だ。6月22日には青森市での講演で「参院選後に与野党が話し合い、成果を上げてほしい」と語った。

 こうしたことから、党内には、首相側近から出た大島氏交代論について「健康不安説がささやかれる二階幹事長を交代させ、衆院議長として処遇するため、ポストを空けようとしているのではないか」(党三役経験者)と勘ぐる向きもある。

読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190730-OYT1T50000/