自民党の石崎徹衆院議員(35)=比例北陸信越=の地元新潟市で秘書を務めていた30代男性が石崎氏に暴行を受けたとして県警に被害届を提出していた問題が、最終盤となった参院選に波紋を広げている。新潟選挙区で3選を目指す現職の塚田一郎氏の自民党陣営は事実確認を急ぎつつ静観。一方、野党統一候補で無所属新人の打越さく良氏の陣営は敵失を材料に攻勢を強めている。

 自民党本部は17日に問題が明るみに出る前から事態を把握していた。接戦となっている新潟選挙区へのマイナスの影響を最小限にとどめるため、石崎氏に今後、街頭演説や集会といった選挙戦の「表舞台」に一切出ないように指示した。

 併せて、報道各社からの問い合わせにも応じないよう石崎氏に求めたとみられる。石崎氏は前日に続き18日も新潟日報社の取材に応じなかった。

 党本部関係者は「新潟だけでなく全国の選挙結果にも影響しかねない」と懸念。石崎氏本人から聞き取りをした上で党としての処分を含め、参院選後に対応を決める意向を示唆した。

 塚田陣営は「候補とは直接関係ない」として、静観の構え。党県連幹部は18日、対応を協議した。県連幹事長の小野峯生県議は「事実を確認した上で厳正に対処する」としている。

 野党は攻勢を強めている。18日の街宣では早速、打越氏の応援弁士が石崎氏の問題を引き合いに安倍政権の体質を批判。選挙戦は最終盤の活動量が勝敗を決するとされる。陣営は石崎氏の問題を批判しつつ、無党派層の取り込みを狙う。

 国民民主党の森裕子参院議員は「石崎氏は早く説明すべきだ」と指摘し、「自民党長期政権の腐敗、おごりが表われた。そういう政治を許さないという怒りを託してほしい」と話した。

 一方、花角英世知事は18日の記者会見で、石崎氏の問題に関し「事実関係が分からないのでコメントのしようがない」と前置きした上で「本人が説明すべきだ」との認識を示した。

新潟日報
2019/07/18 21:31
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