金融庁の審議会がまとめた報告書をめぐって野党側が提出した、麻生副総理兼金融担当大臣に対する不信任決議案と問責決議案は21日、与党などの反対多数で否決される見通しです。野党側はさらに安倍総理大臣に対する問責決議案や内閣不信任決議案の提出も検討していて、来週26日の会期末に向けて与野党の攻防が激しくなることも予想されます。
老後の資産形成で「およそ2000万円必要になる」などとした金融庁の審議会がまとめた報告書について、麻生副総理兼金融担当大臣は受け取らず、内容は政策に反映させない考えを示しています。

これについて野党側は「前代未聞の暴挙で、大臣の資格はない」などとして、20日、衆議院に麻生大臣に対する不信任決議案を、参議院に問責決議案をそれぞれ提出しました。

立憲民主党の辻元国会対策委員長は「『大臣の任にあらず』という強い意思を示し、責任を問いたい」と述べました。

これに対し、自民党の森山国会対策委員長は「麻生大臣は正しい判断をした。速やかに否決することで決着をつけたい」と述べました。

決議案はいずれも21日、衆参両院の本会議で採決が行われ、与党などの反対多数で否決される見通しです。

来週26日の会期末に向けて、野党側はさらに安倍総理大臣に対する問責決議案や、内閣不信任決議案の提出も検討していて、与野党の攻防が激しくなることも予想されます。

一方、麻生大臣に対する不信任決議案などの提出に加わっていない日本維新の会は、麻生大臣には言動を慎んでもらう必要があるとして戒告決議案を提出していて、与野党で取り扱いを協議することにしています。

NHKニュース
2019年6月21日 6時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190621/amp/k10011962731000.html