0001Felis silvestris catus ★
2019/06/15(土) 13:59:30.48ID:V/CcJoU/9バズフィードと琉球新報が「ファクトチェック」で国際原則とかけ離れた記事、恣意的な運用の恐れ
藤代裕之 | ジャーナリスト
ソーシャルメディアに広がる「フェイクニュース」の検証や、政治家や専門家の発言を確認する「ファクトチェック」。2018年沖縄県知事選挙での取り組みが注目されたバズフィードと琉球新報ですが、国際団体であるファクトチェック・ネットワーク(IFCN、International Fact-Checking Network)が加盟団体に求める原則から逸脱した記事があります。このままでは、特定の政党や候補者を有利にする恣意的なファクトチェックを有権者が判断することが難しくなります。
国際団体IFCNが定める5原則とは
IFCNが公開しているファクトチェッカーが守るべき原則「The commitments of the code of principles」は以下の5つです。
1. A commitment to Nonpartisanship and Fairness(非党派的かつ公正に取り組む)
2. A commitment to Transparency of Sources(情報源の透明性を確保する)
3. A commitment to Transparency of Funding & Organization(組織の資金源と背景の透明性を確保する)
4. A commitment to Transparency of Methodology(手法の透明性を確保する)
5. A commitment to an Open & Honest Corrections Policy(オープンで誠実な訂正を行う)
出典:The commitments of the code of principles
IFCN原則への署名団体は世界各国で60、日本国内にはありません。両メディアに遵守義務はありませんが、世界的な指針となっているものです。
記事が特定候補に偏り「公正さ」に欠けている
筆者は、下記の2つの記事が原則の、1.Nonpartisanship and Fairness、と、2.Transparency of Sources、から逸脱していると考えます。
公約「携帯料金4割削減」 沖縄県知事選の立候補者と有権者との解釈に大きな差(バズフィード)
沖縄県知事選 公約「携帯料金を削減」 → 知事や国に権限なし(琉球新報)
玉城氏の紹介はたった2行。確認先にも違い
まず、1.Nonpartisanship and Fairnessですが、これら2つの記事は、特定候補に偏ったものになっています。
琉球新報の記事は、佐喜真氏の公約のみを取り上げており、玉城氏の公約についての記述はありません。バズフィードの記事は、玉城氏の公約についても紹介していますが、2行しかありません。
バズフィードは両氏の公約を比較していますが、佐喜真氏の「携帯電話利用料の4割削減」は県に権限がないとし、玉城氏の「県内Wi-Fi無料」は(県の事業として行えば)実現可能性が大いにあるとしています。なお、玉城氏の辺野古への米軍基地移設阻止の公約は検証していません。ファクトチェックの確認先は、佐喜真氏は総務省ですが、玉城氏は陣営関係者への確認と違いがあります。
このように、2つの記事は「党派的」であり「公正」さが感じられません。公約や確認先の恣意的な選択も疑われます。原則では、ファクトチェックが、政策を主張したり、政策に対する立場を取ったりしないように規定されています。
有権者の対立や分断が懸念されている
なぜ、1.Nonpartisanship and Fairness、は重要なのでしょうか。
それは恣意的なファクトチェックが行われると、特定の政党や候補者が選挙で有利になることや、有権者同士の対立を煽ることで社会的な分断を生み出すことが懸念されているからです。
具体的なソーシャルへの書き込みを提示せず
次に、2.Transparency of Sourcesです。この項目は、読者が自ら検証できるように、情報源が危険に晒される場合以外は詳細に説明することを定めたものです。両メディアの記事では、情報源はソーシャルメディアですから具体的な書き込みや拡散状況のデータを提示することは何ら難しくないはずです。
琉球新報の記事では『有識者やジャーナリストから「知事にその権限はない」などとするSNSの書き込みが拡散』、バズフィードの記事では『表記がTwitterやYouTubeにあり』とだけ記載されています。有識者やジャーナリストとは誰なのか、具体性に欠けており読者が検証することができません。
もし、有識者やジャーナリストが特定候補を支持していたら… もし、書き込み自体が存在していなかったら…
でっち上げの「ファクトチェック」も可能になる
(略)