自民党は今夏の参院選の公約に「早期の憲法改正を目指す」と明記する方向で調整する。安倍晋三首相が掲げる「改正憲法の2020年施行」を念頭に、「初めての憲法改正を目指す」とした17年衆院選の公約より踏み込む。17年衆院選と同様に公約の柱の一つとし、重点項目に掲げる方針だ。

 24日に開いた公約作成に向けた会合で、各部会などがまとめた公約の原案が示された。憲法改正は「国民の幅広い理解を得つつ、憲法審査会などで丁寧な議論を行う」とし、昨年、党としてまとめた、憲法9条への自衛隊の明記▽緊急事態条項の創設▽参院選の「合区」解消▽教育の充実――の改憲4項目を記した。今国会での成立が見通せない国民投票法改正案についても「早期成立を目指す」と盛り込んだ。

 首相は17日の党会合で「憲法を議論する政党か、議論しない政党かを参院選で訴えたい」と強い意欲を示した。公約での「早期改憲」明示には、参院選後の議論を加速させる狙いもありそうだ。

 ただ、「20年施行」の文言は「いざ公約に書いて実現できなければ大変なことになる」(自民党関係者)として、明記しない方針だ。【飼手勇介、遠藤修平】

毎日新聞
2019年5月24日 22時50分
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190524/k00/00m/010/304000c