10連休になった今年のゴールデンウイーク(GW)。国内外は問題山積なのに、やっぱり安倍首相をはじめとする13閣僚は、巨額の血税を使ってノンキに外遊ラッシュだ。


 スリランカでは、消滅したとみられていたイスラム国と関連がある過激派組織による凄惨なテロが発生し、日本人が犠牲になった。首相と副総理の地元を結ぶ「安倍・麻生道路」を巡る“忖度”発言や、沖縄県の辺野古新基地建設問題もくすぶっている。そんな状況の中での外遊である。

「天皇の『退位礼正殿の儀』がある4月30日と、新天皇即位の儀式がある5月1日は、全閣僚が国内に滞在する」(永田町関係者)という。この2日間を挟んだ「前半」と「後半」に予定が分かれている。

■どんな成果が期待できるのか不明

 安倍首相は22〜29日、フランスやイタリア、米国など6カ国に出張中だ。公文書改ざんの責任を取らず居直って以降、評判が最悪の麻生財務相は25〜29日、首脳会談同席のため米国、カナダを訪問。後半の5月1日夜以降は、国際会議出席のためフィジーとフランスを訪問する。

 国税への口利き疑惑などで大揺れだった片山地方創生相は、要人との会談のため5月2日からインド、イスラエルを訪れる。危機管理の要諦である菅官房長官は、5月9日から要人との会談のため異例の米国出張だ。

 海外に出かけるのは閣僚だけじゃない。どんな公務があるのか、副大臣、政務官計10人もこぞって米国やフランス、パナマ、ペルーなどへの訪問予定が組まれている。

 本当に必要なのかよく分からない“海外旅行”の原資は、当然、国民の税金だ。

 野党の過去の質問主意書に対する答弁書などによると、安倍首相が過去、政府専用機で米国に3日間出張した際の費用は1億円を超えた。今回は8日間だから、単純計算で2億数千万にも上る。ファーストクラスで渡航する閣僚は日数や出国先にもよるが、1回あたり1000万〜2000万円程度の費用がかかるとみられる。ビジネスクラスを使う副大臣・政務官は閣僚の半分程度として計算すると、トータル経費は実に5億円を超える。「参院選を控え『無駄遣い』批判を避けるため、今年は絞った」(永田町関係者)というが、とんでもない金額だ。

 政治評論家の山口朝雄氏が言う。

「要人との面会というのは、具体的にどんな成果が期待できるのか、巨額の費用をかける必要があるのか不透明です。とりあえず海外に行くための、取ってつけた理由にしか見えません。本当は、『連休中に日本にいてもやることがない』『海外に行くとVIP待遇を受けられる』という理由で、単なる“物見遊山”ではないのか」

 庶民は国内旅行すらままならないのに、フザケた話だ。

日刊ゲンダイ
19/04/25 15:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252653
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