衆院2補選、自民が全敗 二階幹事長「謙虚に受け止め、敗因分析急ぐ」

夏の参院選の前哨戦となる衆院大阪12区、沖縄3区両補欠選挙は21日投開票された。自民党の北川知克元副環境相の死去に伴う大阪12区補選は、日本維新の会新人の藤田文武氏(38)が自民新人ら3氏を破った。玉城デニー氏の沖縄県知事への転出に伴う沖縄3区補選は、主要な国政野党が支援した無所属新人の屋良朝博氏(56)が自民新人との一騎打ちを制した。自民が2敗を喫し、安倍政権にとって打撃になりそうだ。

 自民が国政補選で敗れたのは、2012年末の第2次安倍内閣発足以降、不戦敗だった16年の衆院京都3区補選を除いて初めて。二階俊博幹事長は21日夜、党本部で記者団に「残念な結果だ。謙虚に受け止めて敗因分析を急ぐ」と語った。

 ◇大阪12区は維新・藤田氏

 大阪12区は、藤田氏が7日の大阪府知事・市長のダブル選で維新系が自民系に圧勝した勢いを持ち込み、叔父の「弔い選挙」を掲げた自民新人の北川晋平氏(32)=公明党推薦▽無所属元職の樽床伸二氏(59)▽無所属元職の宮本岳志氏(59)=共産、自由両党推薦――を退けた。投票率は47.00%だった。維新代表の松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事は藤田氏の応援に入り、ダブル選と同様に自民・公明批判を展開した。

 北川氏は、安倍晋三首相(自民党総裁)ら政権幹部の支援を受けたが及ばなかった。樽床氏は、非維新・非自民の無党派層の取り込みを狙ったが広がらなかった。宮本氏は「野党統一候補」を目指したが、立憲民主党や国民民主党は自主投票とし、野党共闘ムードは高まらなかった。

 ◇沖縄3区は「移設反対」屋良氏

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設の是非を最大の争点とする沖縄3区は、移設に反対する玉城知事の支援を受けた屋良氏が、移設を容認する自民新人で元沖縄・北方担当相の島尻安伊子氏(54)=公明推薦=を破った。

 屋良氏は、埋め立て反対が7割を超えた2月の県民投票の結果を無視して移設工事を進める安倍政権への批判を背景に選挙戦を優位に展開。玉城県政を支える「オール沖縄」勢力が支援し、国政野党4党首もそろって現地入りした。

 自民は辺野古移設の是非に触れずに戦った知事選で推薦候補が大敗したことから、戦術を転換。島尻氏は移設容認の姿勢を鮮明にし、閣僚を務めた実績を強調して子供の貧困対策などを訴えたが浸透しなかった。【津久井達、遠藤孝康】

毎日新聞
4/21(日) 23:01配信
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