予想されていたとはいえ、それにしても新元号発表を報じるテレビの異様さは際立っていた。

 韓国ドラマや通販番組を淡々と流した“わが道”を行くテレビ東京を除き、NHKや民放各局は、有識者や安倍首相が官邸に入る様子を「速報」のテロップ付きで生中継。過去の元号をめぐる「こぼれ話」を織り交ぜたり、「新元号発表まであと○○時間」とのカウントダウンタイマーを表示したりしてお祭りムードを演出していた。

 とりわけNHKは午前8時15分からベッタリ。「NHKの安倍事務所秘書」と揶揄される政治部の岩田明子解説委員らが出演し、これまでの元号に使われた漢字の種類など、ハッキリ言ってどうでもいい「豆知識」をダラダラと報じていたからたまらない。途中、日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の業況判断指数(DI)が2四半期ぶりに悪化したとの重大経済ニュースもベタ記事扱い。

 テレ東は、新元号発表の瞬間は生中継したものの、正午すぎからの安倍首相談話は完全無視。レギュラーの「昼めし旅」を放送した。

日刊ゲンダイ
19/04/01 14:50
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