先月24日、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が行われ、反対票が投票総数の7割を突破し、全有権者の4分の1を大きく超えた。これは昨年9月の知事選で玉城デニー知事が獲得した約39万票も上回り、県民の意思が明確になった形だ。なお、投票率は52.48%だった。県民投票条例の規定により、知事は安倍晋三と米大統領宛てに内容を通知した。

 この結果を歪曲しようとする連中の反応を見ていたら「ミキオ算」という言葉が目に入った。これは「来年(2019年)の3月には(工事は)終わる見込み。終わることに対して県民投票しても仕方がない」(「細川珠生のモーニングトーク」昨年12月2日放送)などとデマを流しながら、県民投票を妨害してきた日本維新の会の衆院議員下地幹郎のツイートから生まれた新語。

〈県民投票が終わり、開票も終了しました。「反対」43万4273票、「賛成」11万4933票、「どちらでもない」5万2682票、これに、投票に行かなかった55万余の県民を加えれば、「反対」は43万人超、「反対以外」が計71万人との結果になりました〉

あまりにアホ。昔「分数ができない大学生―21世紀の日本が危ない」という本があったけど、数字もきちんと読めない小学生レベルのオッサンが比例代表で復活とはいえ国会議員になっているのだから「危ない」どころの話ではない。

 ネット上でも一斉にツッコミが入っていた。

〈その理屈なら辺野古埋め立てに賛成は約11万人、賛成以外は約103万人となる〉

〈2017年の衆院選で沖縄1区の下地の得票率は22・53%。投票資格者総数では12・67%になる。「ミキオ算」で計算すれば、9割近くの有権者が下地の当選に反対していることになる〉

 なお、下地の実家の大米建設は辺野古埋め立て工事に絡んでいて、3社JVで約74億円を受注していた。アホくさ。

 産経ニュースは「全有権者の6割は辺野古移設に『反対』せず」と「ミキオ算」を使って報道。フジテレビ解説委員の平井文夫は、辺野古埋め立て反対が沖縄の民意というのは「フェイクニュース」「よくあるトリック」と述べていた。情弱をだますためのフェイクニュースを垂れ流しているヤツが、嘘に嘘を積み重ねる。国会もメディアもすでにバカに乗っ取られた。右も左も関係ない。戦局はわれわれ日本人とバカとの戦いに入っている。

日刊ゲンダイ
19/03/09 06:00
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