「どの党よりも(大阪都構想の)法定協議会で真摯(しんし)に議論してきた。それを維新側が打ち切り、党利党略で選挙を私物化した」

 公明党府本部で8日夕に会見した代表の佐藤茂樹衆院議員は語気を強め、任期途中での辞職と入れ替えダブル選への出馬を表明した松井知事らへの怒りと失望をあらわにした。

 公明と維新は平成29年4月に結んだ住民投票に関する合意をめぐり昨年末以降、対立が続いてきたが、佐藤氏は「知事・市長が任期を前倒しして辞職する以上、合意は維新側が一方的に破棄したと考える」と宣言。ダブル選については「候補者が出そろえば対応を考えていきたい」と述べるにとどめ、慎重な姿勢を示した。

 都構想への反対を一貫して主張してきた自民党府議団の花谷充愉(みつよし)幹事長は、「府民市民が置き去りの選挙。都構想に終止符を打つ」と強調。ダブル選の対立候補を来週発表するとし、「自然発生的に各党から応援してもらえるような候補、政策で進めていければ」と幅広い支援を得たい考えを示した。

 国政では自民などと対立する各党も、ダブル選では反維新での連携を模索。共産党府委員会の柳利昭委員長は「維新政治を変えていく上で、保守の皆さんも含めた広い共闘を探求していきたい」。立憲民主党府連代表の辻元清美衆院議員も「都構想反対という人たちとは大同団結ができるのではないかと思う」と期待を示した。

 国民民主党府連の平野博文代表は談話で、「都構想は4年前に必要はないと結論が出た。多額の費用がかかる住民投票を再びもくろむこと自体、府民不在だ」と批判した。

産経新聞
https://www.sankei.com/politics/amp/190308/plt1903080047-a.html