厚生労働省の統計不正問題で、特別監察委員会が再検証の結果をまとめたのを受けて、衆議院予算委員会では、28日、集中審議が行われます。一方、新年度予算案について、与党側は、1日、委員会で採決したいと提案したのに対し、野党側は反対していて、与野党の攻防が激しくなっています。

厚生労働省の毎月勤労統計調査の不正問題で、再検証を進めてきた特別監察委員会は、27日、「担当部署が組織として公的な場で虚偽の説明をしていた」と指摘する一方、「隠蔽の意図は認められなかった」とする報告書をまとめました。

野党側は、立憲民主党の逢坂政務調査会長が「身内に甘い、ひどい内容で、隠蔽があったとは言えないという時点でアウトだ」と述べるなど、批判しています。与党側は、自民党の二階幹事長が「意図的な隠蔽はないことが内外に公表できた」と述べるなど、報告書を尊重すべきだとしています。

衆議院予算委員会では、28日、特別監察委員会の樋口美雄委員長も出席して集中審議が行われることになっていて、活発な論戦が展開される見通しです。

一方、新年度予算案をめぐって、与党側は、27日夜開かれた予算委員会の理事会で、今週中に衆議院通過を図るため、1日、委員会を開いて締めくくりの質疑と採決を行いたいと提案しました。

これに対し、野党側は「統計問題は解明されておらず、採決は到底認められない」と反対しているほか「根本厚生労働大臣に対する不信任決議案の提出も検討すべきだ」といった意見も出るなど、与野党の攻防が激しくなっています。

NHKニュース
2019年2月28日 4時12分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190228/k10011830551000.html