米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古の埋め立ての是非を問う県民投票(24日投開票)で「反対」が多数を占めたことを受け、工事断念を求める野党が勢い付いている。埋め立て予定海域に軟弱地盤があることに関し、工事自体が可能かどうかを追及。政権への批判の高まりを4月の衆院沖縄3区補選や夏の参院選につなげる狙いもある。

「海底から下に90メートルぐらい軟弱地盤があるんじゃないか」。立憲民主党の枝野幸男代表は25日の衆院予算委員会で事実確認を求めた。沖縄県は、軟弱地盤は最も深い地点で海面下90メートルに達し、政府が約7万7000本の砂のくいを打ち込む地盤改良工事を検討していると公表。地盤改良工事だけで1500億円かかると独自に試算している。

 枝野氏に対し、防衛省担当局長は地盤改良工事にかかる期間や費用の算定につながる質問に歯切れの悪い回答を連発。岩屋毅防衛相は「実績のある工法をもって地盤改良工事は可能だと確認している」と述べるにとどめた。枝野氏は「工事はそもそも可能なのか、可能だとしても膨大な時間とカネがかかるのではないか。無責任に工事を進めている」と政府を批判した。

 野党には、県民投票の結果が衆院補選や参院選に向けた追い風になるとの期待もある。国民民主党の玉木雄一郎代表は記者団に「対話をせずに民意を無視して(工事を)進めれば必ず衆院補選や参院選にも大きな結果として出てくる」と指摘。共産党の小池晃書記局長も記者会見で「県民投票の結果が、大きな後押しになるのは間違いない」と語った。【小田中大】

毎日新聞
2019年2月25日 20時42分
https://mainichi.jp/articles/20190225/k00/00m/010/215000c