政界に衝撃が走っている。今年最大の政治決戦である夏の参院選。自民が勝つか、野党が勝利するかを決するのは、32ある「1人区」がどうなるのかだ。

 3年前の参院選は、統一候補を擁立した野党が健闘して11議席を獲得。今回自民党は、2016年参院選で敗北した東北の秋田を除く5選挙区のほか、山梨、新潟、長野、三重、大分、沖縄を加えた11選挙区を「激戦区」に指定している。

 最悪「11敗」を覚悟しているということだ。ところが、最新の自民党の調査結果は「11敗」どころか「19敗」だったという。もともと、統一地方選と参院選が重なる「亥年選挙」は、自民党には不利とされるが、1人区で「13勝19敗」と大きく負け越したら、安倍政権は退陣に追い込まれる可能性が高い。

 ちょうど、12年前も、当時29あった「1人区」で6勝23敗と惨敗し、安倍首相は2カ月後に退陣している。

政治ジャーナリストの泉宏氏はこう言う。

「さすがに自民党は、1人区で19敗はしないでしょう。党内を引き締めるために、意図的に情報を流したのではないか。ただ、野党が統一候補を擁立できれば、自民党が“激戦区”に指定している11選挙区と滋賀を合わせた12選挙区は、野党が勝利しておかしくない。野党の12勝はリアリティーのある数字です」

 いずれにしろ、自民党が厳しい選挙戦を覚悟しているのは間違いない。アベノミクスの恩恵を感じていない地方では、安倍政権への不満が充満しているからだ。

 参院選苦戦の分析が強まり、再び「衆参ダブル選挙説」が浮上している。

「安倍首相がダブル選に踏み切るとしたら、参院選の大敗がハッキリした時です。どうせ参院選で敗北して責任を取らされて首相のイスを失うなら、イチかバチか、衆参同日選に持ち込もうと考えてもおかしくない。ダブル選挙は、自民党に有利とされますからね。今囁かれているのは、国会の会期を延長した上で衆院を解散する8月のダブル選挙です。公明党も、春の統一地方選と近いのは困るが、8月ならOKだと了承したという真偽不明の情報も流れています」(政界関係者)

 野党は大急ぎで選挙協力を進めるべきだ。

日刊ゲンダイ
2019/02/22 
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247950/