こんな違法化「誰が頼んだ?」漫画家や専門家ら声上げる

 権利者の許可なくインターネットに上げられた漫画や論文などあらゆるコンテンツについて、著作権を侵害していると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする政府の方針に、続々と批判の声が上がっている。文化庁は著作権法の改正案の条文を今月末にも固め、通常国会に提出する考えだが、著作権侵害の被害者であるはずの人気漫画家からも異論が。19日には著作権の専門家らが緊急声明を発表した。

「誰が頼んだよ、こんなの…。」

 今回の規制方針を伝える報道が出ると、「のだめカンタービレ」などで知られる人気漫画家、二ノ宮知子さんのツイッターアカウントがこうつぶやいた。19日昼までにリツイート数は3千余り。「誰が頼んだ」は法改正に疑念をもつ人たちの気持ちを代弁する言葉として、広く拡散し始めた。

 このつぶやきを報じたネットニュースをリツイートした漫画家の赤松健さんは「みんな心当たりがあるからだろう」と推測する。

 違法化の対象には、著作権侵害の画像などを含む個人のブログやアイコンに勝手にアニメのキャラクターを使ったツイッターの画面のスクリーンショットのように、日常的に多くの人がやっている行為が含まれているからだ。勝手に歌詞を載せているブログから、歌詞をコピーして、自分の文書ファイルにペーストするような「コピー&ペースト」もダウンロードとみなされ、違法化の対象になる。

 文化庁は「著作権侵害のものだと確定的に知っている場合」のみを対象とすることで一般市民の悪気のない行為に影響は及ばないとの立場だが、赤松さんは「著作権の処理が適切にされていないものが全部対象というのはちょっと広すぎる。これでは何が違法になるのかよくわからず、みな不安になるのは当然だ」という。

 こうした事態を受け、著作権の…

朝日新聞
2019年2月19日13時34分
https://www.asahi.com/articles/ASM2L748HM2LUCVL04G.html