いよいよ、剛腕・小沢一郎氏が野党の再結集に動きだす――。国民民主党と自由党の統一会派結成が正式に決まった。合流に向けて政策協議をスタートすることも決定。いずれ一緒になる予定だ。

 さっそく自民党は、警戒を強めている。自民党の衆院議員だった早川忠孝氏は、ブログにこう書いている。

<小沢氏を批判してきた私にとってはまさに奇想天外の一手だが、国民民主党にとっては、ひょっとしたら起死回生の妙手になってしまうかも知れない><立憲民主党相手だったら、ほどほどにあしらっておけばいいだろう、くらいに思っていた自民党も、小沢氏が国民民主党に合流するということになると相当腹を括っておかなければならなくなりそうだ>

 自民党が警戒しているのは、国民民主党に欠けているものが、小沢氏によってカバーされてしまうからだ。

「国民民主の強みは、100億円というカネと全国組織を持っていることです。逆に欠如しているのが“全国区のリーダー”と“発信力”と“選挙通”です。ちょうど小沢一郎は国民民主に欠けているものを持っている。やはり知名度と発信力は大したものです。国民民主と会派を組むというだけで政界もメディアも大騒ぎです。なにより野党に必要なのは『なにかやってくれそう』という期待感ですが、国民民主にはないが、小沢一郎にはありますからね」(政治評論家・本澤二郎氏)

 問題は、参院選までに野党が再結集できるかどうかだ。“お山の大将”を続けたい立憲民主の枝野幸男代表は、不人気の国民民主を見下し、野党共闘を拒否しつづけている。

「鍵は、小沢効果によって国民民主の支持率がアップするかどうかです。現在、国民民主の支持率は1%です。もし5%、7%、10%……と上がっていったら、立憲民主も無視できない。日本全国の選挙区事情に通じている小沢さんは、参院選の候補者を次々に擁立していくでしょう。共産党とも話をつけられる。国民民主の支持率が立憲民主と拮抗したら、立憲民主の方が立場が弱くなる。その時、一気に野党の再結集が進むはずです」(政界関係者)

 小沢氏は「集まれるところから集まろうということだ」「全部一緒になるのがいい」と訴えている。安倍首相が身構えているのは間違いない。

日刊ゲンダイ
2019/01/26
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246206/