2月24日実施の、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票で、玉城デニー知事が、県議会の県政与党の全会一致を条件に、現在の「賛成」「反対」の2択に「どちらとも言えない」を加えた3択にする条例改正を検討していることが21日、関係者への取材で分かった。しかし、県政与党は依然として改正に反対の声が根強く、情勢は流動的だ。

 一方、不参加の意向を示す市長の一部から改正を評価する声も上がっている。条例制定を請求した「『辺野古』県民投票の会」(元山仁士郎代表)は同日、「全県実施の政治的環境が整うなら改正に柔軟に対応する」との声明を発表した。

 関係者によると、仮に条例を改正する場合、県議会に誰が提案するかは未定という。県は与党が了解すれば条例改正後、県民投票に不参加の意向を示す5市に投票事務実施をあらためて求めることを検討している。県は現時点で2月24日実施の方針は変えていない。

 同日午後、謝花喜一郎副知事と面会した照屋大河氏は記者団に「現行条例で実施すべきだと伝えた」と明らかにした。会派おきなわも原則2択で実施すべきだとの姿勢を変えておらず、仮に改正の場合も5市実施の確約が前提との考えだ。

 ただ、制定を請求した県民投票の会の意向は尊重する必要があるとの認識もある。同会が改正に「柔軟に対処する」としていることに、与党幹部は「現段階では2択でやるべきだとの考えは変わらないが、議論の推移を見守りたい」と述べるにとどめた。

 公明党から改正の提案を受け、与野党調整に乗り出す意向を示していた新里米吉県議会議長は同日、記者団に「今後、与党内の動きに何らかの変化がない限り、展開はしていかない」と述べ、与党が改正で一致しない限り議長提案はできないとの認識を示した。(政経部・伊集竜太郎、大野亨恭)

沖縄タイムス
2019年1月22日 06:58
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