日立製作所は17日、英国での原発建設計画を凍結し、事業を中断すると発表した。計画に関連する資産の価値が下がったとして、2019年3月期に3千億円の損失を計上する。政府が成長戦略の柱として後押ししてきた「原発輸出」はこれで事実上全滅。政策の失敗が鮮明になった。

 この日の取締役会で決定した。着工の条件としていた他社からの資金協力が得られず、英政府による早期の支援拡大も見込めない状況で、「経済合理性が見いだせない」(広報)とした。今後は関連予算を計上しない。現地子会社は残すが、担当する従業員は減らす。これまで工事の準備や許認可を受ける作業などで計3千億円弱を投じてきたが、このまま続けても着工のめどが立たず、費用がふくらむだけだと判断した。

 損失の計上により、19年3月期の純利益見通しは従来の4千億円から1千億円に引き下げる。売上高の見通しは9兆4千億円で据え置く。

 計画では、英西部アングルシー…

朝日新聞
2019年1月17日18時35分
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