「沖縄のためにありがとう」米大統領への嘆願17万人に 辺野古と結ぶテレビ電話

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、オール沖縄会議は5日、キャンプ・シュワブのゲート前で毎月第1土曜日の県民大行動を開き、主催者発表で千人が「県民投票で辺野古反対の民意を示そう」と気勢を上げた。集会では辺野古埋め立ての一時停止をトランプ米大統領に求める請願活動を始めたロブ・カジワラさん(32)らハワイの県系人と市民がネットのテレビ電話を通してエールを交換した。

埋め立て停止要望

 「ハイサイ、グスーヨー」。テント前に設置されたスクリーンに映ったカジワラさんの第一声はしまくとぅば。市民からは「ありがとう」と拍手が起こった。

 5日現在、17万筆以上の署名が集まっている請願についてカジワラさんは「世界中にどれだけ支援者がいるか示したかった」と説明。請願に加え、政府関係者にも直接手紙を送り、埋め立て停止を要望している。

 「みなさんが辺野古で活動してくれることが世界のウチナーンチュの励み。例え請願活動でいい結果が出なくてもあきらめない。なぜなら私たちはウチナーンチュだから」と強調した。

 抗議の座り込みを続ける市辺野古の島袋文子さん(90)はスクリーンに向かい、「沖縄のために頑張ってくれてありがとう。私は負けません」と感謝を伝えた。

「世界中にいる」

ハワイからはエリック和多さん(53)も発言。「沖縄と世界の人が一緒に請願活動できることはすばらしい。沖縄の声を日米両政府に表明し、両政府が間違ったことをしていると世界に示そう」とアピールした。

 集会に参加した沖縄市の非常勤講師、玉城福子さん(33)は「沖縄を支援したい人が世界中にいることが実際に感じられ、心強かった」と笑顔。沖縄平和運動センターの山城博治議長は「ウチナーンチュのふるさとを思う心に感動した。彼らの熱い思いに県民も応え、世界中にウチナーンチュの団結を見せつけよう」とさらなる署名を呼び掛けた。

 山城議長は請願に関し、8日午後4時から在沖米軍司令部のあるキャンプ瑞慶覧石平ゲート前で米国との連帯集会を開くとした。

 昨年12月の辺野古への土砂投入後初となった県民大行動では共同代表や国会議員、県議らが次々とマイクを握って投入に抗議したほか、県民投票の全市町村での実施などを求めた。

沖縄タイムス
2019年1月6日 05:00
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/367943