元参院議員の平野貞夫氏らが安倍晋三首相に対して憲法破壊行為の「内乱予備罪」で最高検察庁に刑事告発した件は、その後「具体的犯罪事実が判然としない」として受理されなかったものの、内容を補充して11月に再提出し、さらに年内にも別の補充書を提出するという。東大の石川健治教授(憲法学)が憲法9条の解釈改憲で集団的自衛権を容認したことについて「憲法の論理的限界を突き破った閣議決定で法学的には上からの革命、クーデターだ」としていることなどを補充した。

 そして、年明けには新たな動きもありそうだ。平野氏は26日、ツイッターに「来たる1月には、『辺野古問題』での追加告発の決意を固めた」と発信。その理由をこう話す。

「米軍辺野古新基地建設は、民主主義の根本を破壊する行為です。具体的には、@沖縄の人々の基本的人権を著しく破壊A憲法の根幹である地方自治を冒涜B県の埋め立て承認撤回に対して、行政不服審査法を悪用=国家の論理を破壊、にあたります。さらに、日本という自然の美しい国の祖霊を冒涜する国土の破壊でもあります」

 1997年に沖縄の米軍用地の使用に関する特別措置法を改正した際、改正法成立の条件だった「自民党・新進党合意」には、「沖縄の基地の使用にかかる問題は、県民の意思をいかしながら……国が最終的に責任を負う仕組みを誠意をもって整備する」と書かれてある。平野氏は「政府はこれを忘れたとは言わせない」と言い、「当時の県民の意思は基地経済重視だったが、今は違う。過去3回の知事選結果で辺野古反対の民意は明らかだ」と強調する。

 前代未聞の現職首相に対する告発は、年明け、新局面を迎えることになる。

日刊ゲンダイ
2018/12/28
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