>>791 これか〜

2004年に刊行された『朝鮮総連』(金賛汀・著)。
金氏はノンフィクション作家で内容紹介によれば「かつて組織内に身を置いた著者が、痛恨と義憤の思いで綴った」一冊だ。
注目を集めているのは、戦後間もない時期の朝鮮総連の活動資金に関する次のような記述だ。

「最大の財源になったのは帰還していく強制労働者の未払い賃金等であった。
1946年末までに朝連(朝鮮総連)中央労働部長名で強制連行者を雇用していた日本の各企業に未払い賃金の請求が出された。
その請求額は4366万円に達し、朝連はかなりの金額を企業から徴収し、それらのほとんどは強制連行者の手には渡らず朝連の活動資金に廻された」

在日朝鮮人のために生まれた組織はなぜ変質していったのか……。
かつて内部に身を置いた著者が全てを明かす――。

当時の4366万円がどれほどの大金かは言うまでもないだろう。
少なく見積もっても現在の価値に換算すれば数十億円になるのは間違いない。
そして同書はこの莫大な金の行先について驚くべき指摘をしている。

「これらの豊富な資金は日本共産党再建資金としても使用された。
1945年10月10日、連合国最高司令官・米国太平洋陸軍司令官総司令部(GHQ)は府中刑務所に収容されていた徳田球一、金天海ら16名の共産主義者などを釈放した。
彼らを府中刑務所門前で出迎えたのは日本の各地からトラックに分乗して集まってきた数百人の朝鮮人だった」