■「太陽の塔」世界遺産に 大阪・松井知事が改めて表明

 2025年国際博覧会(万博)の大阪開催が決まったことを受けて、大阪府の松井一郎知事は28日の定例会見で、1970(昭和45)年万博のシンボルである「太陽の塔」(大阪府吹田市)について、25年万博に合わせて世界遺産登録を目指す考えを改めて示した。

 文化庁によると、世界遺産の登録までには、まず推薦候補の暫定リストに記載される必要がある。リストにはすでに「百舌鳥・古市古墳群(大阪)」など7件が記載され、平成19年以降は応募を受け付けていない。仮にリスト入りしてもユネスコに申請できるのは日本として1年に1件のみで、実現のハードルは相当に高いとみられる。

 会見で松井知事は「70年万博から55年後の万博の年に、太陽の塔が世界遺産になれば、ストーリーがあって夢がある。挑戦する価値は十分ある」と語った。松井知事は今年2月にも同じ方針を表明していた。

 万博記念公園にある太陽の塔は、芸術家の故岡本太郎氏がデザインした。耐震工事を終え、今年3月から内部が48年ぶりに一般公開されており、これまでに約16万人が来場する人気となっている。

 府は27年にとりまとめた同公園の将来ビジョンで、太陽の塔の世界遺産登録と、その前段階として国の登録有形文化財の指定を目指す方針を明記していた。

 同文化財の指定には、建築から50年以上経過することが必要。松井知事は、太陽の塔が建築から50年を迎える32年から、活動を本格化する意向を明らかにしていた。

 建築から約50年で世界遺産に登録されたケースとしては、フランスなど7カ国合同で推薦した「ル・コルビュジエの建築作品」の一つ、東京・上野公園の国立西洋美術館がある。

産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/181128/wst1811280047-n1.html