さいたま市や静岡県浜松市、愛知県名古屋市に著書の宣伝看板を無許可で設置し、公職選挙法に触れる疑いが浮上している片山さつき地方創生担当相。

 片山氏は、11月21日の衆院内閣委員会で、3カ所の著書の広告看板が所管地域の「許可を得ていなかった時期があった」と条例に反していたことを認めた。

 それに対して、東京都の男性が、さいたま市の看板をめぐって、片山氏をさいたま地検に刑事告発したことが、わかった。

 告発状によると、さいたま市屋外広告物条例では、屋外に広告の看板を設置する際には市長の許可が必要だ。片山氏は、それを許可を得ず、2年以上に渡って設置していたことが、条例違反だとしている。さいたま市屋外広告物条例には、罰則規定が定められており、

「2年以上、条例に反する状態で掲げられていた。国権の最高機関を構成する国会議員としてはあるまじき行為である」

 として、厳重な処罰を求めている。

 さいたま市によれば、片山氏の広告看板は、さいたま市屋外広告物条例施行規則で定められた、看板の大きさについても条例に違反していたという。

 先の告発状でも、そこに触れられている。さいたま市によれば、

「許可がない条例に違反している状態でしたから、看板が立っている場所の所有者に連絡して是正をお願いした。今は、真っ白になっているので、屋外広告ではないという判断です」

 という。

 さいたま市の内部資料でも<罰則規定がある>と記され、罰金もしくは1年以下の懲役という罰則規定があるという。

 告発状を提出した、男性はこう話す。

「片山氏もしくはその関係者が『条例に違反していないことにしてほしい』などとさいたま市に持ち掛け、もみ消し工作のようなことをしていたと聞き看過できないと思った。片山氏は条例に違反していることがわかってからも、さいたま市の看板はしばらく放置。反省がまったく感じられない、非常に悪質だと思い告発した」

 告発状について片山さつき事務所に問い合わせたが、期限までに回答は得られなかった。(今西憲之)

AERA.dot
2018/11/26 16:18
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