0001名無し1号 ★
2018/11/23(金) 16:35:47.80ID:CAP_USER9そんな「御殿」への思いを胸に、日本に渡る人たちも少なくない。しかし中には、様々な事情から失意の内に帰国するケースも。彼らの希望をつなぐために何ができるのか。
現地を歩き、住民たちが抱く日本への「愛憎」に触れながら、考えてみた。(朝日新聞ハノイ支局長・鈴木暁子)
■静寂が支配する「ゴーストタウン」
「ベトナムの普通の農村とは思えぬ光景がある」。そう人づてに聞き、私は平日の昼間にある村を訪ねた。
首都ハノイから車で2時間弱の場所にある、フートー省ビンライ村。木々の間に大きな家々が立ち並び、まるで別荘地のようだ。ぴかぴかの邸宅が、これでもかというほど並んでいた。
車を降りて歩き出すと、私はまた驚いた。通りには人の姿が全くなく、しーんと静まりかえっている。朝から晩までカフェや居酒屋で人々がおしゃべりする、ベトナムのあの活気はどこにいったのだろう。「ゴーストタウン」という言葉が浮かんだ。
やっと見つけた高齢の女性が近所の家々を指さして、こう説明してくれた。「うちは台湾、隣は韓国。あっちは日本だよ」
それぞれの家族が家の建設費用を稼いだ国の名前だという。ビンライ村では、人口9094人の3分の1に当たる2900人が海外で働く。村が静まりかえっているのは、35歳以下の若者の多くが国外に出ているためだ。家々は、いわば「実習生御殿」といったところだろうか。
村人に声をかければ、海外労働者の家族に出会う。雑貨店にいた女性は、子どもが1年前に日本での技能実習から帰ってきたという。「費用は60万円かかったけど、息子は250万円貯金して帰って来た。別の町で食堂をやっているよ」。
店に来たレ・タイン・コンさん(25)も愛知県の板金工場で働く実習生で1年ぶりに一時帰国したところだった。去年帰国した時にもうけた子どもが1歳になり、今回初めて顔を見ることができた。
「家族とは離ればなれですが、ベトナムにいてもお金は稼げないですから」。そう日本語で話し、笑った。
(中略)
だが、様々な問題も起きている。その一つが、日本でのベトナム人の振る舞いだ。
万引きなどの刑法犯検挙件数は、在留者の多い中国や韓国を抜いて、国籍別でワースト1位。また、17年に失踪した技能実習生の数は、ベトナム人が3751人と総数(7089人)の半分以上を占める。
(中略)
ベトナムの日本大使館は、日本への留学を申請する人を対象に、昨年3月から抜き打ちで面接を開始。すると、面接を受けた人の1〜2割は日本語能力が基準に達していなかった。
中には「あいうえお」も言えないのに、「150時間日本語を学んだ」とかたる内容の書類を出した人もいたという。このため一部の留学あっせん業者が、留学ビザの代理申請の受け付け資格を一時的に停止されるなど、深刻な事態となっている。
(中略)
■失望するベトナム人たち
ベトナム人の待遇が不安定なのには、わかりにくい日本の制度も関係している。
法律家の伏原さんは2年前、ベトナムの語学学校が短期ビザで学生を日本に送り、給料も渡航費も出さず働かせていた問題で相談を受けた。
これを機に、ベトナム人弁護士のブイ・ホン・ズオンさんたちと日本に行きたいベトナム人の相談・情報提供窓口をひらき、ボランティアで相談にのっている。
(中略)
「旅行ビザで日本に行って働ける」とだまされたベトナムの人が、ベトナムの業者に多額の費用を払って渡航する問題も頻発している。
日本に行っても仕事は見つからず、途方にくれたベトナムの人たちから連絡を受けたズオンさんが、ベトナムに帰国するよう説得。その後、業者と交渉し、全額を返還させることができた。
(続きはソース元で)
写真:ビンライ村には、出稼ぎで得たお金で家を建てる人が少なくない=鈴木暁子撮影
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/storage.withnews.jp/2018/11/22/9/b3/9b3c281e-ml.jpg
写真:新築の家で母親とくつろぐ元技能実習生のホアン・ティ・レさん(右)、「家族のために家を建てるのが夢だった」と話す=鈴木暁子撮影
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/storage.withnews.jp/2018/11/22/8/13/81393be2-ml.jpeg
動画:「だまされるな、技能実習生」(日本語版 )
https://www.youtube.com/watch?v=_dLcjOnL7-A
ソース:withnews(ウィズニュース)
https://withnews.jp/article/f0181123004qq000000000000000W08u10101qq000018406A
2018年11月23日