外国籍の児童・生徒が全国で2番目に多い愛知県では、日本語指導のための教員の人件費が急増し、今年度は38億1700万円と、この10年で2倍に急増していることがNHKの取材でわかりました。県は負担が大きくなっているとして、国に対し財政措置を拡充するよう求めています。

愛知県では県内の小中学校に通う外国籍の児童・生徒がおよそ1万1000人いて、東京に次いで多くなっています。

このうち、おととし5月の時点では6割にあたるおよそ7000人が日本語がほとんどできず、10年前と比べて3000人近く増えています。

このため愛知県は、平成4年度から日本語指導のための教員を県内の小中学校に配置し、今年度は540人余りに上り、人件費は国が負担している分も含めて38億1700万円に上っていることがNHKの取材でわかりました。

これは10年前と比べると2倍、制度が始まった平成4年度と比べると15倍と、急増しています。

県は負担が大きくなっているとして、国に対し財政措置を拡充するよう求めています。

取材に対し愛知県は「外国籍の子どもたちは急速に増え、学校現場では教員の数はまだまだ足りていないのが現状だ」と話しています。

外国人の子どもの実情に詳しい愛知淑徳大学の小島祥美准教授は「日本語の指導が必要な子どもたちは全国各地で増加しているが、対応策が国として行われていないため、自治体や学校任せになっている点が非常に大きな問題だ」と指摘しています。

NHKニュース
2018年11月15日 20時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181115/k10011712231000.html