落ちるところまで落ちた。小池百合子都知事が5日、かねて猛批判してきた都議会自民党の“ボス”高島直樹都連幹事長と都内のホテルで面会。小池は6日、かつての批判について「言葉が過ぎた部分があった」と謝罪したことを明かした。都議会自民党を目の敵にし、「ブラックボックス」「しがらみ政治」などと徹底的にこき下ろしてきた小池だが、ついに白旗を揚げた格好だ。

「小池知事は4月に二階俊博自民党幹事長や山崎拓元副総裁らと会食した際、20年東京五輪の大会期間中に知事選が重なってしまうことを念頭に『選挙時期を前倒ししてほしい』と要請していた。昨夏の都議選で『都民ファーストの会』の代表就任に伴い自民党と手を切った小池知事が今も頼れるのは、かねて親交のある二階氏くらい。今回の会談は、小池知事がお願いし二階氏がセットしたとみられています」(都庁記者)

 小池がそこまでして“天敵”の都議会自民党にすり寄ったのには、ワケがある。知事再選だ。

「選挙時期の前倒しを要請するくらいですから、小池知事は2期目を狙っている。何とかして再選し、東京五輪の旗を振りたいと考えているようです。勢いが地に落ちた小池知事が再選するには、固い組織を持つ都議会自民党の支援は必須。“天敵”に頭を下げてでも支援をお願いしたいということでしょう」(都政関係者)

 ところが、小池へ恨み骨髄の都議会自民党が「ハイ、そうですか」とすんなり謝罪を受け止めるはずがない。

「都議会自民の幹部らは、今回の一件について『謝罪だと思っていない』という態度です。小池知事に徹底的に叩かれ、昨夏の都議選で大幅に議席を減らしましたから、恨みは相当なもの。おいそれと許すわけがありません。既に小池知事の対立候補の選定に着手しているといいます。小池知事としては『どうか対立候補は出さないで欲しい』と無理やりにでも謝罪したことにしたかったのでしょう」(前出の都政関係者)

 “土下座”をしてでも知事再選を果たしたいということか。

 さすがは“政界渡り鳥”と評されるだけの変わり身の早さだ。

日刊ゲンダイ
2018/11/08
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