2年前の自転車の転倒事故以降、公の場に姿を見せていなかった谷垣禎一・前自民党総裁(73)が31日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相と面会した。けがからの回復を報告するためで、記者団に「退院し、外に出られるようになったので報告に来ました」と話した。

 約2年3カ月ぶりに公の場に姿を見せた谷垣氏は車いすにスーツ姿。「自分の不注意でけがをし、ご迷惑をおかけしたのでおわびに来た」とし、9月の総裁選で3選された安倍首相に対し「米国もアジアも情勢が変わってきているので、十分に力を発揮していただきたい」と伝えたという。

 谷垣氏は党幹事長だった2016年7月、東京都内で趣味のサイクリング中に転倒し、頸髄(けいずい)を損傷。昨年10月の衆院選には立候補せず政界引退を表明した。最近は自宅でリハビリを続けていた。

 谷垣グループは今年7月、国会近くの東京・隼町に事務所を開設。グループ幹部によると、今後はこの事務所を拠点に政治活動を行うという。グループ内には来年の参院選出馬という復帰待望論もくすぶっているが、本人は消極的という。

朝日新聞
2018年10月31日14時47分
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