任期満了に伴う京都府大山崎町長選が21日投開票され、共産が支持する無所属新人の前町議前川光氏(62)が、無所属現職の山本圭一氏(45)=自民、公明、立憲、国民推薦=に競り勝った。

 山本氏の選挙チラシには自公議員の隣に「前原誠司」や「福山哲郎」の名前がある。国政では対立している自公と相乗りした揚げ句、地元で敗北し、大恥をかいた形だ。

 選挙の争点は現職の山本氏が進めていた公立保育園の民営化に対する是非。これに反対する前川氏が地元の支持を得た。

「大山崎は子育てがしやすい町として有名で、山本町長が一方的に民営化計画を進めているというので、町民からひんしゅくを買っていました」(地元関係者)

 そんな与党の推薦候補に前原誠司氏と福山哲郎氏が“相乗り”した理由は、旧民主党時代の“共産嫌い”が根強く残っているからだ。

 福山氏は昨年12月の京都新聞で「京都では参院議員として共産党と戦い、山田啓二知事を支えてきた。京都の首長選で共産と共闘することはない」と語っている。

 政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。

「地元の事情はあるでしょうが、なぜ、与党と相乗りしてしまったのか。しかも、民意を読み間違えている。常に与党に対抗して政権交代の意欲を見せるのが野党の責任のはずです」

 野党は、民意に寄り添って戦う姿勢を示すべきだ。

日刊ゲンダイ
2018/10/24 06:00
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