ロクでもない大臣が顔を揃えた改造内閣。早速、初入閣の石田真敏総務相の不可解な政治資金の使途が明らかになった。マイカーの“メンテナンス”費用を賄っている、と疑われるような使い方が発覚したのだ。

 日刊ゲンダイは、石田氏が代表を務める資金管理団体「真政会」の政治資金収支報告書(2014〜16年分)と、政党支部の報告書(15〜16年分)をチェック。真政会は、16年1月29日から計12回、総額32万円超を「駐車場代」として、なぜか石田氏本人に支払っている。さらに、15年5月11日には「自動車税立替代」として5万8600円、5月26日は「自動車保険料立替金」として3万8420円を石田氏本人に支出している。

 支部も、16年2月9日付で「自動車保険料立替金」として3万8710円を、やはり石田氏本人に支出。16年は計3回、総額16万円超に上る。真政会、支部ともに他の年でも同様の支出が目立った。

 収支報告書を見る限り、石田氏のマイカーの駐車場代と保険料を政治資金で出しているようにみえる。

 石田事務所に問い合わせると、「(石田名義の車両は)登録制度で政治団体名義の登録ができないことから所有者を当該政治団体代表者の個人名義で登録し、実質的な所有者である政治団体は使用者として登録している」と回答した。

 要するに、制度の都合上、名義は「石田個人」だが、実態は「政治団体」の所有だから、政治資金から支出しても問題ないと言いたいらしい。不可解なのは、石田氏が「個人名義」で所有している車の台数だ。真政会と支部が支出した保険料は年に3〜4回。つまり、事務所は石田氏名義の車を複数台使っているということ。ところが、石田氏の保有資産を記した「資産等報告書」(12〜16年分)によると、石田氏が所有する車は「普通自動車1台」なのだ。

改めて石田事務所に問い合わせると、「資産等報告書には実質的な所有をする資産を記載することになっていますので、政治団体で所有している上記車両については資産等報告書には記載していません」と答えた。政治資金に詳しい神戸学院大教授・上脇博之氏はこう言う。

「事務所の回答が正しいならば、石田大臣は自分名義の車両を一切、個人的に利用していないということになる。それならば、東京と和歌山の事務所が何台所有し、誰が利用しているのか説明責任を果たすべきです。仮に大臣自らが個人的に利用しているのならば、政治資金の私物化とみられても仕方ありません」

 政治資金の所管省庁のトップにしては、随分といい加減だ。

日刊ゲンダイ
2018/10/13 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239379/