「沖縄から世界平和の潮流を」と創価学会が沖縄県恩納村に設置した「世界平和の碑」。そこは米軍が1960年代に、県内4カ所に建設した中国を標的にした核ミサイル「メースB」基地跡地の一つでした。辺野古新基地問題を最大争点に大激戦となっている県知事選投票日(30日)目前の25日、同碑のある創価学会沖縄研修道場を一人の男性信者が訪れました。急逝した翁長雄志県知事の遺志を継ぐ玉城デニー候補の勝利に全力を尽くす決意を固めるためでした。

■百数十人超の支持

 しのつく秋雨のなか、門前で施設内の木立の奥をじっと見つめる男性は、那覇市の創価学会でブロック長を務める、元マグロ船乗員で入信歴36年の仲宗根政良さん(76)。仲宗根さんは、県知事選告示以降、すでに百数十人を超える有権者からデニー支持の確約を集めています。

 仲宗根さんは、創価学会が恩納村の核ミサイル基地の跡地を購入、77年に建設した「創価学会沖縄研修道場」の壮年部人材学校第1期生。半年間、毎週末に那覇から通い、日蓮教学を熱心に学び、「戦争の基地から永遠平和の要塞(ようさい)」を発信する活動に専念してきたといいます。

 しかし「自公政権」成立後、政権与党として悪政への積極的な加担などに不信感をもちはじめました。

■戦争で父兄亡くす

 2012年12月の総選挙が決定的になりました。公明党が、憲法違反の集団的自衛権行使を容認する法制定を公約に掲げた自民党と連携。沖縄では県内選出の自民党国会議員が、総選挙で公約した普天間基地の「県外」移設を覆し、辺野古新基地建設を容認し、自公が推した仲井真弘多知事が埋め立てを承認しました。

 「自公政権の本性をみました。創価学会が掲げる『沖縄から発信する世界平和の潮流を』とは真逆の姿であり、絶対に受け入れられない」

 太平洋戦争で父を、沖縄戦で兄を亡くした体験から「命(ぬち)どぅ宝」(命こそが宝)を信条に必死に生きてきた人生にもふれ、安倍政権の憲法改悪、戦争する国づくり、なによりも日米両政府による、沖縄への新たな核持ち込み発言に強い危機感を感じている、と。

 仲宗根さんは「前回の知事選では公明党は“自主投票”でしたが今回は新基地賛成の候補を全国動員で応援している。わが家にも関西から幹部がきて“オール沖縄は共産党。デニーでは経済発展できない”とデマ宣伝を繰り返している。核も基地もない平和で豊かで誇りある沖縄を子や孫たちに手渡すためにデニー知事を実現させたい」と力を込めました。(山本眞直)

しんぶん赤旗
2018年9月27日(木)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-09-27/2018092701_07_1.html