自民党の総裁選で石破元幹事長の予想を上回る善戦。党内の反応について自民党本部からの報告です。

 石破さんの票数が読み上げられた瞬間、こちらの会場でどよめきが起きたように、今回の善戦は驚きを持って受け止められています。

 「石破茂君、73票」

 安倍陣営内部には当初、8割を押さえた議員票と地方票の間に「乖離(かいり)があると良くない」として、地方票も獲得できるだろうという見通しもありました。「地方票」70%獲得という目標を掲げる議員もいたほどですが、石破さん支持の広がりや森友・加計学園問題の影響を肌で感じた陣営は、表向きの目標を党員票の55%獲得に置かざるを得ませんでした。そのハードルを下げた目標をかろうじて0.3%上回るのみという状況に持ち込まれ、そこに追い打ちをかけるように石破氏が予想を20票近く上回る議員票を獲得したことで、安倍陣営には動揺が走っています。

Q.石破さんの処遇や今後の政権運営など、結果はどのような影響を及ぼすと考えられますか?

 安倍総理は、来月1日に党役員人事と内閣改造を行う予定にしています。石破さんの健闘した結果を受け、安倍陣営からも“石破さんやその周辺の議員を干し上げることは出来ない”という見方が広がっています。さらに今後の政権運営にも、ひとつ暗い影を落としたとも言えるかもしれません。安倍総理が勝ったとは言え、今回の結果は、いわゆる“隠れ石破支持”の議員の存在や、総理を積極的に支持しているわけではないという「地方の声」が表面化したわけです。

 残りの任期が決まった指導者の求心力が低下していくのは政治のセオリーで、安倍総理が最後の3年間で描く、憲法改正などの難しい政策課題には高い壁が立ちはだかったと言えそうです。

TBS NEWS
9月20日17時59分
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3477530.html