結局「完黙」を貫いた。今回の自民党総裁選で安倍首相を支持するのか、石破元幹事長を支持するのか――。その政治判断が注目された小泉進次郎筆頭副幹事長は、選挙期間の最後まで自分の意思を明言しなかった。

 20日になって、NHKが〈石破元幹事長に投票する意向を固め、周辺に伝えた〉と報じたが、何を今更だ。

 6年前の総裁選で進次郎氏は石破氏を支持。今回は14日の党青年局主催の討論会を聞いてから投票先を判断するという、優等生の模範解答のような意向を示していたが、いざ当日になると、肩透かし。数十人の報道陣に囲まれながら、「二者択一に見えて、それほど単純なものではない」「真意は、語れば語るほど伝わらなくなる部分もある」「今言うべきことではないなというのが、私の率直な思いだ」と空虚な言葉を弄した。

 今回の総裁選が全く盛り上がらなかったのは、進次郎氏の煮え切らない態度も原因のひとつ。これでは、二者択一すら決められない“ヘタレ政治家”として自ら進んで評判を下げたようなもの。

橋下徹前大阪市長にまで、「(政治家に求められる重要な能力は)究極の場面での決断力と、その説明力」「総裁選における彼の態度振る舞いを見て、政治家としての期待を失った」と公式メルマガでコケにされる始末だ。

「やっぱり、あの噂は本当だったのでしょうか」と言うのは、ある自民党議員だ。こう続けた。

「先月16日、進次郎氏の父・純一郎元総理が夏休み中だった安倍総理の別荘近くのゴルフ場で、森元総理や麻生財務相らとラウンドしましたよね。純一郎氏は終始ご機嫌でしたけど、あの日、安倍総理との間で、息子の進次郎氏の総裁選後の処遇について、ある密約を交わしたというのです」

 密約の内容とは、総裁選の間に安倍・石破両陣営への支持を表明せず黙っていれば、総裁選後の内閣改造・党役員人事で厚遇するというもの。

「具体的なポストとして官房副長官に起用するとの臆測まで流れた。実際、進次郎氏の地方党員への影響力を考えると、総裁選中に黙ってくれているだけで、安倍陣営には御の字ですからね」(前出の自民党議員)

 進次郎氏の姑息なはぐらかしの裏に、果たして密約はあるのか。噂の真偽は改造人事で証明される。

日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237894/