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 20日投開票の自民党総裁選は、政治姿勢のあり方が論点の一つだ。

 安倍晋三首相(総裁)は1強体制への不満は意識しつつ、「官邸主導」は譲らない考え。石破茂元幹事長は森友・加計学園問題などを念頭に対立軸に据える考えだったが、陣営に加わった参院竹下派に配慮するあまり、得意の弁舌は切れ味を欠いている。

 首相は10日の共同記者会見で、内閣人事局への批判を念頭に「各省庁が人事権を持つことで、政権の政策目標に従わないことも多々あった。政治がリーダーシップを発揮すること自体に間違いはない」と反論した。

 人事局は省庁幹部の人事権を首相官邸に集中させ、政治主導を確立するため設置。森友・加計問題では、人事を握られた官僚が必要以上に官邸に忖度(そんたく)しているとの弊害も指摘された。

 首相は政治主導を実践する上で、今後も人事局を活用する考えのようだ。会見では「かつて省益あって国益なしと言われていた。各省庁が既得権益を守ってきた中において、人事も実は行われてきた」と訴えた。

 一方、石破氏は11日、堺市の街頭演説で「長いものに巻かれろというなら政治家をやってはいけない。このままでいいのかという人は自民党支持者にはいっぱいいる」と語り、遠回しながら首相に物を言いにくい現状に苦言を呈した。

 石破氏は8月の出馬会見で「正直、公正」をスローガンに掲げ、首相の政治姿勢を問う意向を示していた。だが、支援を受ける参院竹下派の吉田博美参院幹事長が「個人攻撃」と懸念を示してからは、表立った首相批判を控えている。