https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180823-00178043-diamond-soci

 安倍首相のスキャンダルは徹底的に叩く一方で、野党議員の疑惑はスルーするという、マスコミ各社のあからさまな偏向報道を批判する声が高まっている。実は日本のマスコミは終戦後、GHQから「中立公正」よりも「悪との戦い」を旗印にせよと刷り込まれて誕生した。この歴史をひもとけば、なぜマスコミ各社が執拗に「反安倍」に偏るのかが見えてくる。(ノンフィクションライター 窪田順生)

● 立民議員が口利きで関与? 文科省収賄事件の闇

 連日のようにテレビや新聞が、高校球児の熱闘を大はしゃぎで取り上げるなかで、実はネットでも甲子園に負けず劣らずの“熱いバトル”が繰り広げられているのをご存じだろうか。

 きっかけは、先月立て続けに発覚した文科省収賄事件だ。東京医科大学の件も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の件も、マスコミが「霞が関ブローカー」などと紹介していた、元会社役員の谷口浩司という人物が絡んでいたというのはご存じの通りだが、実は「黒幕」は別にいるのではという情報がちょろちょろ出てきているのだ。

 例えば、共同通信が13日にこんな報道をしている。

 「東京医科大側が立憲民主党の衆院議員を通じて元医療コンサルタント会社役員谷口浩司容疑者(47)=贈賄の疑いで再逮捕=に相談を持ち掛けていたとみられることが13日、関係者への取材で分かった」

 素直に読めば、立民議員が“口利き”をしたのでは、という疑惑が浮かぶ。この疑惑に拍車をかけるのが、谷口氏の「妻」を名乗る人物が立ち上げたホームページだ。興味のある方はぜひご自分でググってご覧になっていただきたいが、そこには、これまでの話では、東京医科大の理事長と文科省前局長を引き合わせたのは谷口氏ということになっているが、「実際の紹介者は立憲民主党の吉田統彦代議士」(ホームページ)だと、会合がもたれた店や日時も明記して主張しているのだ。。

 また、谷口氏が国民民主党の羽田雄一郎参議院議員の「側近中の側近」だとして、同議員の名前と国会事務所の連絡先が記された「政策顧問」という名刺画像もアップしている。谷口氏が、「国会議員がケツ持ち(後ろ盾)」とうそぶいていたというのは朝日新聞なども報じているところなので、当然、このあたりが「ケツ持ち」ではという疑念も浮かぶ。

 もちろん、これらが事実なのかどうかは分からない。こうしている今も、立派なジャーナリストや記者の皆さんが、裏取り作業をしてくれているはずなので、その結果を待ちたいところだが、個人的にはそれと同じくらい注目しているのが、この「疑惑」の扱われ方をめぐる論争だ。

● 「反安倍」なら追求せず!? マスコミ報道の偏り

 関与の疑いが濃厚なのに、マスコミが吉田議員、羽田議員などを追いかけ回していないことに対して、一部から怒りが噴出している。その熱い主張をざっとまとめると、こんな感じだ。

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● 信じた道をただ突き進む 「報道」のお作法

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 例えば、「従軍慰安婦」に関する「報道」の“お点前”をみれば、筆者の言いたいことが分かっていただけるはずだ。

 「従軍慰安婦」については当初から様々な学者やジャーナリストが、証言者の言っていることは怪しいと忠告をしていた。が、「朝日新聞」はそういう“雑音”に耳を貸すことなく、ただひたすらに自分の信じた道を突き進んだ。

 人の話に耳を傾けないという、ジャーナリストらしからぬ「ストイックな求道者」となってしまったのは、彼らが「自分の信じた道をただひたすらに世の中にふれ回わる」という「報道」の探求者だからだ。

 森友・加計学園問題がネットで「偏向」と叩かれても、「報道」の世界では「結構なお点前で」と大絶賛されているのも、これが理由だ。

● 海外メディアも指摘してきた 日本の「報道」の特殊性

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● 報道内容が間違っていても マスコミがなかなか謝罪しない理由

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● 「中立公正」は掲げるけれど… 「悪との戦い」が偏向報道をつくる

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