11日から14日まで選挙区の山口県で夏休みを過ごし、15日から別荘のある山梨県に移った安倍首相。政界関係者が「おやっ」と思ったのが、12日、13日、14日と3日続けて神社に足を運び、熱心に参拝したことだ。さすがに神社3連発は異例だ。よほど神にすがりたい心境なのか。「やはり“地方票では負ける”と総裁選に不安を強めているのだろう」という見方が流れている。

 安倍首相は12日、長門市内の「元乃隅稲成神社」を参拝。翌13日は下関市の「住吉神社」、さらに14日には宇部市内の「琴崎八幡宮」を参拝している。3日連続の神社参拝は、2012年の第2次安倍内閣発足以降、初めてのことだ。

 参拝した神社にも、それぞれ深い意味がある。元乃隅稲成神社の「成」は「成就」に由来するといい、さまざまな願いを成就する神社として有名だ。住吉神社には、勝ち戦の神様が祭られているという。琴崎八幡宮は「病気平癒」など、幅広い祈願を手掛けている。

琴崎八幡宮を訪れた安倍首相は、「不動心」の3文字を色紙にしたためている。人間、自分に欠けているモノ、欲しているモノを願うものだ。

 安倍首相の不安が、「健康」と「地方票」なのは間違いない。

■歯科にかかるペースが激増

 永田町では、歯科診療の多さが注目されている。6月に3回、7月にも3回通っている。しかも、7月23日は歯の治療に2時間もかけている。

「『潰瘍性大腸炎』という難病を抱える安倍首相は、ステロイドを服用しているといわれています。歯周病を引き起こすとされるステロイドの副作用で、歯茎がボロボロになっているのではと臆測を呼んでいるのです」(永田町関係者)

 加えて安倍首相が気にかけているのは、地方票の行方のはずだ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。

「世論調査では、安倍首相は“自民党支持層”から5〜6割の支持を得ていますが、“自民党支持層”の全てが自民党員というわけではない。安倍首相は憲法改正などを争点にしていますが、地方が求めるのは“経済”です。アベノミクスの恩恵が薄い地方の党員にとっては、地方創生相を務めた石破議員の方が魅力的に映っても不思議ではありません。議員票も、安倍支持を決めた派閥が切り崩しにあっていると聞きます。安倍首相は圧勝できるかどうか、まだまだ不安は尽きないはずです」

 15日、別荘のある山梨県鳴沢村に移った安倍首相は、森喜朗元首相、小泉純一郎元首相、麻生太郎財務相らと会食し、総裁選への対応について「さらに3年の任期に耐え得る気力、体力があるか見つめ直しながら判断したい」と語ったという。「健康不安」と「地方での不人気」に、本人は相当追い詰められているのではないか。

日刊ゲンダイ
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