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■ 今回の死刑がどれだけ異例なのか

今回、オウム真理教の死刑囚たち7人の死刑を同日に執行したことは、どれくらい異例なことなのでしょうか。
まず年間に執行される死刑囚が7人を上回ることが滅多にありません。過去に上回ったのは2007年の9人、2008年の15人くらいで、年にせいぜい1〜3名程度の死刑が執行される程度です。
いきなり7人の死刑が同時に執行されるというのは極めて異例なのです。

オウム真理教の死刑囚たちの死刑執行は、本来、慎重にやらなければならない話です。
海外からも心配の声が挙がっていますが、オウム真理教はカルト宗教であり、今も「アレフ」や「ひかりの輪」「山田らの集団」などの後継団体があり、
麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚を「尊師」として崇めているのです。
尊師の死刑が執行され、神格化が増してしまう可能性がある時に、6人の使徒たちを尊師とともに同日処刑しているのです。

このストーリーを作り出しているのは、他ならぬ上川陽子法務大臣(衆・静岡1区)であるということになります。松本智津夫死刑囚のみならず、他の6人まで神格化してしまう無神経さ。
インパクトを優先した結果、カルト宗教のカルト性をより高めてしまう最悪の結果を生み出しているのです。しかも、前日に酒盛りをしたあげくにです。
我が国の法務大臣がどれだけ無能なババァなのかがお分かりいただけるでしょうか。

異例なのは、同日に執り行われる死刑の数だけではありません。松本智津夫死刑囚の死刑判決は、東京地裁で言い渡されたものです。
なにしろ刑が刑なだけに、本来ならば東京高裁、最高裁と十分に審議をされてから、やっぱり死刑だということで確定するべきものですが、
一審の途中で松本智津夫死刑囚の精神がおかしくなり、何も話さなくなってしまったので、審議不能な状態に陥りました。
そんな状態でも一審では死刑判決が下されましたが、弁護人が控訴審を開くのに必要な控訴趣意書を東京高裁に提出できず、控訴審が開かれないまま裁判が終了。松本智津夫死刑囚は一審判決の「死刑」の通りに死刑が執行されたのです。

松本智津夫死刑囚は、いわば廃人のような状態になっており、刑事訴訟法では死刑執行について「心神喪失の状態にあるときは、法務大臣の命令によって停止する」と書かれているので、本当は松本智津夫死刑囚に死刑を執行することはできません。

ところが、オウム真理教の実行犯たちの死刑を執行して、その中心的存在である松本智津夫死刑囚の刑が執行されないのは世間が黙っちゃいないだろうということで、
東京拘置所に身柄が移送されてからは「精神に変調があり、風呂や運動について、刑務官に声をかけられると自発的に歩いて行っており精神的な問題はなかった」ということになりました。本当なのでしょうか。

誰も面会することができず、真偽を確かめることができないことをいいことに、東京拘置所に身柄を移された途端に精神が正常に戻るなんて、どんな神パワーを使ったのでしょうか。
死刑は国が人の命を奪う行為であり、最も法律に則って執行されなければならないことなのに、都合によって法律が無視され、死刑が執行されてしまう日本は、どの口で「先進国」を名乗っているのでしょうか。