◆イラン産原油輸入停止の要請に難しい対応迫られる
2018年6月28日 6時02分 NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180628/k10011498131000.html
(リンク先に動画ニュースあり)

アメリカのトランプ政権が日本などにイラン産原油の輸入の完全停止を求めたことを受け、政府は日本企業の活動などに影響が出ないよう輸入継続の方策を探っています。ただ、アメリカ側の理解が得られる見通しはたっていないほか、北朝鮮対応では協調を維持する必要もあり、政府は難しい対応を迫られています。

アメリカのトランプ政権は、イランに対する経済制裁を8月以降、順次再開する方針を表明している中、日本を含む各国にイラン産原油の輸入を11月4日までに完全に停止するよう求めています。

日本はイランから全体の5%余りの原油を輸入するなど主要な調達先の1つで、菅官房長官も「日本企業に悪影響が及ばないようアメリカを含む関係国としっかり協議していきたい」と述べました。

政府はすでにアメリカ側にイランからの輸入を継続したい意向を水面下で伝えるなど、打開策を探っています。ただ、例外は認めないとするトランプ政権の理解が得られる見通しは立っていません。

またトランプ政権は、日本も対象に鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置を発動したのに続いて、自動車や関連部品に対しても同様の構えを示しています。こうした強硬な姿勢に政府内からは批判的な意見も出ていますが、北朝鮮の非核化や拉致問題への対応でアメリカとの協調を維持する必要もあり、難しい対応を迫られています。

◆米、イラン原油輸入ゼロを要求 日本含む同盟国に 協力しなければ制裁
2018.6.27 11:21更新 産経

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米政権は26日、5月のイラン核合意離脱を受けて同国への「史上最強の制裁」(ポンペオ国務長官)を実施するため、各国にイラン産原油の輸入をゼロにするよう求めていると明らかにした。日本を含むアジアや欧州の同盟国にはすでに要請し、今後、中国やインドにも協力を求める。国務省高官は11月4日までの実施を求め、協力しなければ例外なく二次的制裁を科すとした。

 高官は輸入禁止を求めるのは、イランを孤立させることで外国の武装組織への資金提供を食い止め、「地域全体での有害な行動」を浮き彫りにするためだと強調した。日本の対応に関しては、日本側との接触を踏まえて「日米両国の関係から、実施する意思がある」との見方を示した。

 米国は核合意離脱を踏まえ、猶予期間を経て8月にイランへの航空機輸出など、11月にイラン産原油の購入や中央銀行との取引などに対する制裁をそれぞれ再開するとしている。高官は日本などに今すぐ原油輸入の削減を始めることで、「ゼロにする準備」を始めるよう求めた。

 日本は原油輸入量の5・5%(2017年)をイランに頼っており、輸入禁止を求められたことで難しい判断を迫られる。

 トランプ政権の方針を受け、26日のニューヨーク原油先物相場は急伸し、終値は1バレル=70ドルを突破。高官はイランへの圧力強化で原油供給量に影響が出ないよう中東の他の産油国と近く協議を始めると述べた。

https://www.sankei.com/world/news/180627/wor1806270013-n1.html