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自民党の信頼が揺らいでいる。国会では昨年来、森友学園や加計学園問題など「政と官」を巡る問題が次々と浮上し、内閣支持率はそのたびに下降を繰り返している。長い歴史のなかで政権党としてのノウハウを蓄積してきた自民党で、何が起きているのか。石破茂・元幹事長(61)に聞いた。(鈴木毅/Yahoo!ニュース 特集編集部)

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民主主義の二つの条件が毀損

――いま「安倍一強体制」の副作用として、党内に異論を許さない雰囲気があると言われています。

民主主義というのは、英国のチャーチル元首相が言ったように「最悪の政治制度」なんです。「今まで試された民主主義以外のあらゆる政治制度を除けば」。とにかく民主主義は手間がかかるし、カネはかかるし、出た結論は最善でないことが多いし、ロクなものではない。だけど、ほかのあらゆる政治制度よりはマシなものです。

そして、民主主義がきちんと機能するためには二つの条件がある。

一つは、参加する資格を持った人ができるだけ多く参加すること、もう一つが、参加する人たちに正しい情報が与えられること。

この二つを欠くと、民主主義は暴走してとんでもないことが起こる。

ところがいま、この条件が二つとも毀損されつつあります。いまの政治なんてどうでもいいと投票を棄権する人がいる。

また、新聞もテレビも見ず、自分の気に入った情報だけをネットで見る人が増えている。有権者が正しい情報を仕入れているかというと、そうは言いきれなくなっている。

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鈴木毅(すずき・つよし)
1972年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒、同大学院政策・メディア研究科修了後、朝日新聞社に入社。「週刊朝日」副編集長、「AERA」副編集長、朝日新聞経済部などを経て、2016年12月に株式会社POWER NEWSを設立。