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 林芳正文部科学相は15日の閣議後記者会見で、カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した是枝裕和監督が林氏からの祝意を辞退したことについて、「監督の考えを尊重したい」と述べた。

 是枝監督は7日、「祝意を伝えたい」とする林氏の発言に対し、自身のホームページで「公権力とは潔く距離を保つ」として辞退を表明した。その際、受賞作の「万引き家族」が文化庁から助成金を受け取っていることに感謝の意を示した上で、「日本の映画産業の規模を考えるとまだまだ映画文化振興の為の予算は少ない」と記した。文化庁は「万引き家族」の制作に文化芸術振興費補助金2000万円を支出している。

 これに対し、インターネットに「勇気がある」との称賛や、「助成金を受け取っているのに『公権力と距離を保つ』のは矛盾している」などの批判が書き込まれるなど、議論が巻き起こっていた。この点について、林氏は「助成をしているからといって、(祝意を受ける)義務や発言の制約がかかるものではない。是枝監督のさらなる活躍を期待している」と述べた。【伊澤拓也】