◆働き方法案 高プロで参考人5人が意見陳述
2018年6月12日 20時02分(最終更新 6月12日 20時02分) 毎日新聞

■参院厚生労働委員会

 働き方改革関連法案を審議している参院厚生労働委員会は12日、参考人5人の意見陳述と質疑を行った。高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)について、企業に働き方の見直しを提案する「ワーク・ライフバランス」の小室淑恵社長は「導入したいという企業はほとんどない」との現状を伝えた。

 小室氏は「導入する企業は極めてマネジメント能力が問われることになる」と制度運用が難しいとの認識を示した。その上で「今、私たちがコンサルティングしている企業で、高プロを導入したいと言っている企業はほとんどない」と述べた。

 連合の逢見直人会長代行は「どのような仕事、職種でも、いかに高度、高年収であっても、過重労働により心身がむしばまれることがあってはいけない」と語り、高プロの創設に改めて反対した。全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人と、日本労働弁護団幹事長の棗(なつめ)一郎弁護士も、制度は不必要との認識を示した。

 一方、経団連労働法制本部の布山祐子上席主幹は「創造性を十分に発揮できる柔軟な働き方の選択肢を増やすものであり、時代の変化に対応した改正」と賛成意見を述べた。【神足俊輔】

http://mainichi.jp/articles/20180613/k00/00m/010/083000c