◆【保育無償化】自民内で不満噴出 「1強」にかげり
毎日新聞 2018年6月5日 21時54分(最終更新 6月5日 21時54分)

 自民党が5日に開いた「人生100年時代戦略本部」(本部長・岸田文雄政調会長)の会合で、政府の幼児教育・保育の無償化方針に対し、「高額所得者優遇になる」などの不満が噴出した。認可外保育も利用料補助の対象とする方針についても「劣悪な事業者も対象になってしまう」などの批判が出た。

 無償化は昨年の衆院選で安倍晋三首相が主導した公約。当時から党内には不満がくすぶっており、森友問題などで「1強」にかげりが見える中でそれがあらわになった形だ。

 政府は当初、無償化対象を認可保育などに限る方針だったが、認可外を利用する保護者らが反発。自民党の要望も踏まえ、昨年12月に認可外も対象にすると決定した。この日の会合では「認可外に対し、認可への移行を目指すことを対象とする条件にしてもらいたい」などの批判的な意見が相次いだ。

 保育園の経営に携わる白須賀貴樹衆院議員は「衆院厚生労働委員会で(国民民主党の)山井和則氏が『歴史上例を見ない金持ち優遇策だ』と言っていたが、初めて山井氏に賛成する」と皮肉交じりに政府方針を批判し、「公約を愚直にやることも大切だが、正論で修正しますと訴えればいい」と主張した。【松倉佑輔】

https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00m/010/149000c