森友学園 決裁文書改ざん問題 佐川前理財局長ら不起訴
5月31日 14時45分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180531/k10011459771000.html

森友学園をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題で、大阪地検特捜部は告発された佐川宣寿前理財局長らを嫌疑不十分で不起訴にしました。また国有地売却問題で告発された財務省の当時の幹部らについても不起訴にしました。

財務省の決裁文書の改ざんは、森友学園との国有地の取り引きに関する14の文書で行われ、安倍総理大臣の妻の昭恵氏や政治家の名前が記された部分などが300か所以上削除されていて、これまで財務省は佐川氏の国会答弁との整合性を取るために行われたと説明しています。

この問題をめぐっては、佐川氏らが虚偽公文書作成などの疑いで告発され、大阪地検特捜部は佐川氏本人から事情を聴くなどして捜査を進めてきましたが、特捜部は31日、佐川氏や財務省の当時の担当者らの刑事責任を問うのは難しいと判断し、いずれも嫌疑不十分で不起訴にしました。

特捜部は、改ざんは佐川氏の指示で行われたものの、文書の根幹部分とみる学園側との契約の経緯や金額などに大きな変更はなく、うその内容に変えたとまではいえないとして刑事責任を問うのは難しいと判断したものとみられます。

また大阪 豊中市の国有地がごみの撤去費用などとして鑑定価格から8億円余り値引きされて学園側に売却された問題をめぐり、背任容疑で告発された財務省や近畿財務局の当時の幹部らについても嫌疑不十分で不起訴にしました。

特捜部は、値引き額の算定根拠に不十分な点があったものの、地中には一定の量のごみがあったことや、ごみの影響で小学校の開校が遅れた場合、損害賠償を請求される可能性があったことなどから値引きが不当だったとまではいえず、国に損害を与えたともいえないと判断したものとみられます。

このほか財務省が学園との交渉記録を意図的に廃棄した問題についても佐川氏らを不起訴にしました。

1年以上にわたる検察の捜査はこれで終結する見通しですが、告発した市民団体などは処分を不服として検察審査会に審査を申し立てるものとみられます。