小泉訪朝には裏話があるはずです。小泉一行は平壌に到着後、北朝鮮側から予期に反して
「拉致被害者13人のうち、5名は生存しているが、8名は死亡している」と通告されました。
しかし、日本側は事前に「拉致被害者13人は生きていて、全員返す」というメッセージを
受けとっていたはずです。小泉は拉致被害者13人を奪還できると思って平壌まで行ったが、
土壇場で「8名死亡」を告げられ、茫然自失したのではないか。

 その後、日本側は北の用意していた昼食をキャンセルしましたが、それは「騙された」「話が
違う」という不満の表れでしょう。それならば、その場で机を蹴飛ばして帰国すればよかった
のです。

 この時、金正日は日朝首脳会談を機に拉致を国家犯罪として認め、主席の立場で正式に
謝罪したのです。その上で小泉と金正日は平壌宣言に署名しました。つまり、拉致被害者に
関する北朝鮮の説明は、両首脳の間で「事実」として決着したということです。この事実は
トップの間で確認されているので非常に重いものであり、拉致問題はこの時点で終わったと
いうことです。