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2018/05/06(日) 11:22:07.40ID:CAP_USER9政策骨子は同日に開かれた岸田派のパーティーで披露された。その際、岸田氏はこんなあいさつをしていた。
「私たち宏池会は結成されてから今日まで、水のようにしなやかに、リベラルで自由な社会を目指し、権力には謙虚に向かい合って、いま、国民が求めているものは何なのか、徹底した現実主義に基づいて政策を考えていく」
本当に現実主義に基づいて政策を考えれば、「平和憲法」という言葉は出ないのではないか。岸田氏は外相として中国の海洋進出や北朝鮮の脅威を目の当たりにしてきた当事者だ。表になっていない情報にも多く接してきたはずだ。それなのに、なぜいまでも「平和憲法」といえるのか理解できない。仮に、こうした指摘があたらないというのであれば、詳細に説明するべきだろう。
振り返れば、岸田氏は安倍晋三首相(63)が自民党総裁として提案した憲法9条の改正に関して、歯切れが悪いという記憶しかない。平成27年10月に安全保障関連法が成立した後には、宏池会の会合で「当面、9条自体は改正することを考えない。これが私たちの立場だ」「宏池会の憲法に対する愛着は独特のものがある」と語っていた。
小野寺氏に関しては、現職の防衛相であるから、何もいう必要はないだろう。防衛相ほど自国を守れない、いわゆる「平和憲法」に違和感を持たないはずがない。
この2人がいても、宏池会があえて現実を見ないような政策骨子を作るのは、安倍政権のアンチテーゼとしての政治基盤を強くしたいからだとしか思えない。だが、岸田氏は現在、党政調会長として党三役の一人である。
政策骨子は「Humaneな外交」以外に、▽Kind(優しい)な政治▽Warm(温かい)な経済▽Inclusive(包括的)な社会▽Sustainable(持続可能)な土台−が並ぶ。すべてに抽象的な形容詞が付けられているところに、やや旧民主党っぽさが漂う。
例えば、「Kindな政治」には「権力に対するチェックアンドバランスを確保する」とある。その説明はこうだ。
「国民の多様な声、異なる意見にも丁寧に耳を傾けるボトムアップの政治を行うとともに、国民目線にたって霞が関の見える化・デジタル化を徹底し効率的で開かれた行政を実現する」
「官邸1強」と呼ばれる安倍政権を意識したものであることは明白だ。そこに、安易に安倍政権を批判しがちな国民世論への迎合はないだろうか。
岸田氏は4月18日の宏池会パーティーで、森友問題や加計問題、または財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題などに言及し、「行政の信頼、そして民主主義の根底が問われる問題が起こっている。政府与党一体となって信頼回復に努めなければならない」と語った。その上で「宏池会は力を結集して、この大きな岩を動かす。こうした力を結集して課題に立ち向かっていかなければならない」と訴えた。
この言葉を実践するのであれば、安倍政権を支えるためにも、党政調会長として具体的にアクションを起こすべきである。足下の小さな岩さえ動かすことができなければ、政権を担うという大きな岩は永遠に動かせないだろう。(政治部 田北真樹子)
産経新聞
5/5(土) 10:00配信
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