日中両国の中央銀行である日銀と中国人民銀行が、円と人民元を相互に融通し合う新たな通貨交換(スワップ)協定の締結に向け、本格交渉に入ることが2日、分かった。融通額は3兆円規模を軸に検討する。日中首脳会談が9日に東京で開かれる見通しとなり、金融分野でも協力体制の強化を急ぐ。

同協定は、金融危機時に、日銀が人民銀に円を差し出す代わりに元を受け取り、元の資金繰りに行き詰まった邦銀に資金供給することが柱。中国は金融市場の整備が遅れており、金融危機など不測の事態が生じた場合、邦銀の元調達に支障を来す恐れがある。
 日銀と人民銀は2002年、人民元相場の暴落など通貨危機に備える目的で通貨交換協定を締結したが、尖閣諸島問題をめぐる両国関係の悪化などを受け、13年に失効した。その後、両中銀が新協定をめぐり水面下で交渉を続けてきた。


時事通信社
2018年05月02日21時35分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018050201069&;g=eco