国会は二十三日、麻生太郎財務相の辞任、柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問などを求める野党と与党の対立により、不正常な状態が続いた。自民党の二階俊博幹事長は記者会見で、野党の要求に対し「しばらくは見守りたい」と現時点で応じない考えを強調。野党側は「安倍晋三首相が『うみを出し切る』と言いながらゼロ回答のままで、うみにふたをするような対応だ」と批判を強め、事態打開の見通しは立っていない。

 野党六党は福田淳一財務次官がセクハラ疑惑で辞任表明した翌十九日、(1)麻生財務相の辞任(2)森友・加計問題で柳瀬氏らの証人喚問(3)財務省の公文書改ざん問題の調査結果を四月中に公表(4)防衛省の日報問題の究明−を要求。与党が事実上拒否したり明確な姿勢を示さなかったことに反発し、国会審議への欠席を続けている。

 立憲民主党の辻元清美国対委員長は二十三日、記者団に「官僚を辞めさせればいいのか。政府・与党こそ自浄能力を示してほしい。うみにふたをする条件で審議するわけにはいかない」と批判した。

 与野党の対立から二十三日の衆院予算委員会の集中審議開催は見送られ、野党側は参院決算委員会を欠席した。衆院予算委の菅原一秀与党筆頭理事(自民)は同日、逢坂誠二野党筆頭理事(立憲民主)に二十六日の集中審議を打診したが、逢坂氏は応じなかった。

 衆院議院運営委員会は二十三日の理事会で、野党が反対する中、二十四日の衆院本会議開催を古屋圭司委員長(自民)の職権で決めた。民法改正案などの趣旨説明や質疑を行う予定だが、野党は欠席する方針だ。(山口哲人)

東京新聞
2018年4月24日 朝刊
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