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疑問はまだある。理財局からの口裏合わせを断った2月20日夜、森友学園の籠池泰典元理事長はTBSのラジオ番組に出演。約8億2000万円とされたゴミ撤去費用について以下のように話しているのだ。

「8億円云々というけれど、元々その金額がいくらだったのか知らない」

「(「8億いくか?」と聞かれて)いやだって、運動場の下のところは取り出さなくていいから、触っていないから。運動場で使うところは何も触らなくていいから、お金がかかることはない」

この直後、籠池氏が当時の顧問弁護士を通じて理財局の職員から「身を隠してほしい」と言われたことも謎だ。籠池夫妻はメディアの前からしばらく姿を消したが、その間、安倍首相の籠池評が大きく変化したこともまた不思議である。

首相の態度激変と文書改ざんの時期が同じ

「妻から森友学園の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いております」

2017年2月17日の衆議院予算委員会では、このように安倍首相の籠池評は好意的だった。だがこれが2月下旬になると、一気に否定的へと変わっていく。

「この方は非常にこだわるというか、そう簡単に引き下がらない方でございまして」(2017年2月24日?衆議院予算委員会)

「非常にしつこい中において、非常に何回も何回も熱心に言ってこられる中」(同)

その激変ぶりは質問に立った野党議員をも戸惑わせたほどだったが、この頃から決裁書の改ざんが始まっているのである。

なお同問題を追及している共産党の辰巳孝太郎参議院議員は4月5日の野党共同ヒアリング終了後、「昨年の2月17日、20日、22日、24日を繋いでいけば、真実が見えてくる。籠池氏に『姿を消せ』と言ったのは、ラジオ番組でしゃべりすぎたために口止めが必要だと思ったのだろう」と、記者団に述べている。

まだまだ闇は深いのだが、NHKのスクープを契機に全容解明へ向けて一歩前進したことは間違いない。

おわり