『首相 “昭恵氏 行政に影響及ぼしたことはない”』

「森友学園」の問題をめぐり、参議院予算委員会で、野党側は、安倍総理大臣夫人の昭恵氏が、学園が開校を計画していた小学校の名誉校長を一時務めていたことが、国有地の取り引きに影響を与えたと追及しました。これに対し、安倍総理大臣は、昭恵氏が名誉校長を務めたことは反省しているとする一方で、昭恵氏は国有地売却などに関与していないと強調しました。

午後の質疑で、公明党の里見隆治氏は「一般的には、職場での職務上の法令違反に対して、直接職場の上司・同僚には相談しにくい。『公益通報者保護制度』の環境整備を進めなければならない」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「内部の職員などから公益通報が容易に行われる環境をつくることは、法令順守の確保や不祥事の未然防止、早期是正の観点で極めて重要だ。通報窓口が確実に機能するよう、取り組みを不断に進めていきたい」と述べました。

共産党の辰巳孝太郎氏は、安倍総理大臣夫人の昭恵氏が、森友学園が開校を計画していた小学校の名誉校長を一時務めていたことについて、「安倍総理大臣は、『国との交渉が有利になることはない』と過去に言っているが、昭恵氏はご自身の影響力を十分理解したうえで行動している」と追及しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「名誉校長になれば、学園の信頼性を高め、多くの人がそこの趣旨に賛同するかもしれないというのは、私もそのとおりだと思うし、妻もそのように理解していたと思う」と述べました。
そのうえで、「妻が名誉校長を受けるべきではなかったと思うし、その点は反省しているが、あくまでも名誉校長であり、国有地の売却や学校認可の手続きに関わっていない。また、妻が名誉校長を務めているところはあまたの数あるが、今まで行政などに影響を及ぼしたことはないと考えている」と述べました。

また、安倍総理大臣は、野党議員と接見した籠池前理事長が、夫人の昭恵氏が「前に進めてください」などと述べたと説明したことに対し、発言を重ねて否定したうえで、「籠池氏は、ほとんどの会話をテープでとっているので、もし妻が言ったのであれば、テープがあるはずだ。証拠がないということは、これはもう明確ではないか」と反論しました。

一方、財務省の矢野官房長は、一連の書き換えに、安倍総理大臣や麻生副総理兼財務大臣の指示はなかったとする一方、総理大臣官邸の関与については「あったという事実には突き当たっていない。今、調査しているので、誰の話があったのかなかったのかを逐一、中間報告も含めてすることは不可能だ」と述べました。

3月26日 18時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180326/k10011379381000.html