『首相、自衛隊明記に意欲 市民「改憲より森友解明を」』

自民党は二十五日、党大会を東京都内のホテルで開いた。安倍晋三首相(党総裁)は演説で、改憲について「自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とう。これこそが今を生きる政治家、自民党の責務だ」と呼び掛け、自衛隊を明記する改憲に強い意欲を示した。 (篠ケ瀬祐司)

(中略)

◆新宿 ふくらむ抗議

 安倍晋三首相が自民党大会で憲法九条改憲に意欲を示した二十五日、東京都内の各所では、安倍政権への抗議集会が開かれ、市民らが「改憲よりも森友学園問題の真相解明が必要だ」との声を上げた。

 新宿駅東口前で開かれた改憲反対集会には、約三百人が参加。「九条の会」事務局長の小森陽一東大教授は「公文書改ざん問題で、安倍政権は一年間も国民をごまかし続けてきた。はっきりと、真実を明らかにさせなければいけない」と強調。「日本を戦争する国にさせようとしている安倍政権の国家の私物化に本質がある」と訴えた。

 集会に参加した若者でつくるグループ「未来のための公共」メンバーの大学生中山美幸さん(23)は「連日見苦しい政治を見せられている。安倍政権は国民をなめすぎです。声を上げなければ政権に見下されてしまう」。長野県飯田市から駆けつけたアルバイト土井祐子さん(63)は「いても立ってもいられず来た。ウソばかりの政治家に改憲を進めてほしくない」と話した。

 新宿・伊勢丹前では「内閣総辞職を求める緊急大街宣」があり、約八千人(主催者発表)が歩行者天国を埋め尽くした。立憲民主、共産、民進などの野党幹部らもマイクを握り「安倍首相に改憲を語る資格はない」などと訴えた。 (原昌志)

2018年3月26日 07時00分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018032690065641.html