森友学園問題の一連の流れ
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森友疑惑の発覚から1年以上の歳月を経て、“キーパーソン”の佐川宣寿前国税庁長官がようやく国会で証人喚問される。“忖度”という言葉で今まで封印されてきた安倍官邸のパンドラの箱は開くのか? 責任を押しつけられた財務省と麻生財務相の逆襲に怯える安倍首相に異変が……。

 眠れぬ夜が続いているのか、安倍晋三首相の体調に異変が生じているようだ。

 安倍首相は都内の高級ホテルにあるスポーツジムを併設したスパに通っているが、そのスパで最近、安倍首相に出くわしたという財界関係者がこう話す。

「堂々と正面玄関から10人くらいのSPを引き連れやってきた安倍首相は、しばらく私の近くのマシンに乗っていたけど、すぐにいなくなった。だが、首相動静では4時間、ジムに滞在したとなっていた。籠抜けをして治療でも受けているのかなと思った」

 潰瘍性大腸炎という持病がある安倍首相は長年、慶応大学病院で定期的に治療を受けているが、最近の体調はどうなのか?

「安倍さんの主治医は慶応病院腫瘍センターに所属する准教授ら3医師ですが、時々、ジムのあるホテルに呼ばれ、点滴など治療をしています。安倍さんの顔はかなりむくんでいるので相当、お疲れなのでしょう」(慶応病院関係者)

 森友文書改ざんのキーパーソンである佐川前国税庁長官の証人喚問が決まり、安倍官邸はコーナーまで追い詰められつつある。

「直近の自民党員への調査で安倍支持は9%まで下落し、党内に激震が走りました。官邸の菅(義偉)官房長官、今井(尚哉)首相秘書官はじめスタッフは毎晩、徹夜でやけくそ状態です。党は3月19日に国会で集中審議をやり、23日ごろに佐川喚問を考えていますが、安倍首相はかなり弱気になっている」(官邸関係者)

 森友側との国有地取引に関する財務省の決裁文書改ざんを隠したのは財務省だけではない。国土交通省から杉田和博官房副長官に「(財務省の決裁文書が)改ざんされた疑いがある」という報告が5日、もたらされたにもかかわらず、官邸も公表しなかったのだ。

安倍首相は14日の参院予算委員会で、「(改ざんは)11日に報告を受けた」と言い張ったが、記者から追及された菅官房長官が翌日、「6日には杉田副長官から報告を受け、安倍首相も承知していた」と認めざるを得なくなった。

 財務省は12日に約80ページの報告書を発表。

 安倍昭恵夫人や、鴻池祥肇元防災担当相や平沼赳夫元経済産業相ら複数の政治家の名前が記載されていた14の決裁文書を次々と書き換えたという。

 だが、この報告書で一件落着とはならなかった。

 自民党総務会で「安倍内閣総辞職」を訴えた村上誠一郎元行革担当相は本誌にこう語った。

「森友問題で佐川前理財局長を動かせる人はおそらく首相、財務相、官房長官、首相秘書官クラスだろう。森友、加計問題は“安倍友”を優遇してきたのが原因とみられ、いずれも出発点は安倍さんその人だ」

 麻生太郎財務相の弁明によれば、文書の改ざんが行われたのは昨年2月末から4月の間で、「佐川の国会答弁との矛盾を避けるため、理財局の一部の判断でやった」と主張している。

「責任逃れも甚だしい弁明だ」と金子勝・慶応大学教授は言う。佐川前理財局長が「記録は残っていない」との答弁を繰り返し、野党を憤慨させたのは昨年2月24日。首相が国会で、「私や妻が関係していたならば、総理大臣も国会議員も辞める」と発言したのは、その7日前のことだった。

「この首相発言を機に、文書の改ざんが始まったのは、誰が見ても明らかだ」(金子教授)

 この問題を追及する著述家の菅野完氏も言う。

「安倍首相の不用意な答弁が、すべての始まりです。文書を改ざんすることで、いったい誰にメリットがあるのかが重要です。犯罪には必ず利得者がいます。実際には犯罪を実行した下手人(財務省)だけが罪に問われていますが、利得者は安倍首相です。文書に実名が出てくるのは、鴻池、平沼両氏ら政治家と昭恵夫人だけです。つまり、財務省は政治家と同等の公人として夫人を認識していたのです」

>>2以降に続く

2018.3.20 10:07
週刊朝日
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